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大隈庭園でステラおばさんのクッキーを販売!
【夏の全体行事】恒例!サンプラザでビアパーティ
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【東京都23区支部大会】リーガロイヤル東京で開催。中野からは31名の参加
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中野稲門会続メールマガジン217号(2019/1)
掲載 2019.01.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
2019年1月号
  
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◇コラム知技研(71)   <本棚の一冊から(32)>  【遠藤恭一】
   =『深淵の色は佐川幸義伝』津本陽著= 
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 昨年5月亡くなった津本陽の遺作である。大東流合気武術を極めた天才武術家の生涯と弟子たちが見たその素顔を余すところなく伝えた著作である。小説家が言葉で表現不可能な神技を伝えるという最も難しい難題に取組んだ本でもある。「深淵の色」とは著者によれば透明な見えない色、もしかすると力を表現していると思われる。どんな技かと言えば、立ち合い相手が佐川師範の身体の一部に触れるか、触れぬうちに身体ごと2-3メートル先に飛ばされてしまう。なぜそうなるのか飛ばされた人間にも判らない。見ている方も、不思議な技に驚く。即ち、単に師範の身体に触れるか触れぬうちに挑戦者の足が空中に浮揚して畳に体全体が叩きつけられる。又もっと不思議なのは投げ飛ばされた者が「それまで溜まっていたストレスや身体の疲労が投げ飛ばされたと同時に解消してしまう」と投げ飛ばされた弟子たちが異口同音に言う。

 理由は全く不明であるという。一番弟子である木村達雄夫氏(筑波大学名誉教授)は「一週間で溜まった疲労が投げ飛ばされると身体から略完全に消滅してしまう」という。往路、道場に行くときは疲労困憊状態であっても復路は運動後の疲労がある筈なのに爽快な気分で家路につくという。なぜそうなるのかは誰も解明できていない。武術家佐川幸義(1902年-1998年)は95歳で亡くなる直前まで道場に立っていた。年齢を重ねると共にその合気の神髄は進化し続けたという。本人は体力の衰えを自覚していたが、どんな場合でもそうした力を出せる状態にあったという。ある時道場破りの様な人物が現れ師範と対峙した。やはり一瞬で投げ飛ばされたが起き上がって師範の後ろから飛び掛かった。然し、師範は振り向きもせず相手の飛び掛かりを防ぎ又投げ飛ばしてしまった。然も何事もなかった様に平然と席についたという。佐川師範は自分の持つ神技を後継者に継がせようとしてはいたが残念ながら師範の到達した境地まで達する人材は確保できなかった。それは佐川師範の自己を律する大変な精神力と自己鍛錬の成せるもので単に技術を伝えることでは完成しえない、それこそ深淵なものがあったからであろう。

 佐川師範を導いた大東合気武術は武田惣角先生である。彼の武道遍歴も出て来る。この武田、佐川二人で大東合気の伝統が完成されたのである。「合気とは何か」との問いかけに佐川師範は「相手の力を抜いてしまう技術、相手を無力化する。足が大事だ」と端的に答えている。木村氏は具体例として、師範が椅子に座っている状況で師範から私の手を押してごらんと言われる。自分は立っているので上から強烈な力を加えた。すると師範の手は突然何の動意も感じられないまま上がっていく。私の力は消え失せていた。先生は私に両手を握らせたまま椅子から立ち上がり私を窓際まで追い詰めた。私は身体が浮いてしまい、後ほんの僅かの力を掛けられたら吹っ飛ばされてしまうとの感覚があった。こうした記述が各所に語られる。津本のこの著作ではその合気を流れや動きを見事に文章で表現しているが、その神髄はついに明かすことは出来ていない。なぜ立ち向かう相手の力を抜くことが出来るのか?謎のままである。
佐川幸義氏の家族やその生活についても克明に記されているが見事な人生に尽きるし、師を尊敬する弟子たちの息遣いも身近に感じられる作品である。
                      つづく


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◇宇宙川柳 ・手前の太道(135)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。

 楽しさで苦しみ包み初春や
 情報を集めて浅し脳の皺
 参観日問題なのは爺々でした             
 おはようはどうもお日様に言っている
 我が妻と笑って終わる千日手

 良い背中見せられなくて説教を
 ナポリにて突然霰のタランテッラ           
 災害は忘れぬうちにチョクチョクと
 失せものがひょいと出て来て幸せ日         
 若者は未来未来と終末へ 
              
★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
 杜撰省と書いてコウロウ省と読み
 縄文人札束見ては薪にくべ        
 国会に二台は必要舌抜き機              
 超ミニは気合い気分で穿くらしい  
         
★今月のリメール 遠藤智様
「バスの中スマホの方はお詰め下さい」家元12月号
「スマホを使っている人は、バスの中で場所を取りますか? 両肘を突っ張ているわけでもないでしょう。」(遠藤智様)
バスに人が乗って来ても、運転手が奥に詰めるようアナウンスしてもスマホの方は、特にイヤホーンしている人は微動だにしません。
文明の変化にマナーが定着するのは10年が通例で縄文から弥生は100年位かかったようです。(家元)

★平成最後の「いろは川柳百句一人」 宇宙川柳家元東柳 のお知らせ
2000年より作句を始め、月に約100句作り、一万句を越えた中で「平明で語呂良く耳にいとおかし」ものを100句選び百人一首ならぬ「百句一人」を編みました。御希望の方はメールいただければメールでお送りします。お楽しみ下さい。

★コンサートのお知らせ
2/3(日)日暮里サニーホールで18:30から開かれる「くどう式発声講座」で2曲歌います。昨秋ナポリの世界遺産新城で一人でリサイタルを開き、少し成長した私の歌を聞いていただきたいので是非ご連絡下されば幸いです。お待ちしております。


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㈱東綜合設計事務所 代表取締役 東 直彦
東京都中野区中野3-2-1 リバース中野601
TEL:03-3384-9301 FAX:03-3384-9380
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◇ 田舎暮らし(188) <ヒマラヤ街道見聞録1>    【中野信吾】
          =ルクラのゲート=    
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 ここに一枚の写真がある。昨年末に念願の目的を達成できた記念写真である。その記念すべきこの写真を見るたびに、シャッターチャンスを逃してしまった悔いが今でも残る。なぜあの時に自分のカメラでシャッターが切れなかったのだろうか。8日間にわたるヒマラヤトレッキングが始まって、トレッキング終了はまだ少し続く(上り坂)のかとも思ったのが間違いだった。ルクラにあるこの半円形のゲートは最初にくぐった時は日本にある鳥居ぐらいの感覚であまり気にも留めてなかった。それがこの8日間(往復)でこのゲートがすごく大きな重みがあることに変わったのだ。一人の落後者も出さずに計画通りに達成できただけに、この旅にはここが大きな記念の証拠として残されているからだ。ネパールの国立公園に入る最初のチェックポイントで、他にモンジョ・ナムチェ間にあるチェックポイントもあるが、ここはあまり目立たなかったからだろうか。

 これから始まるネパールへの旅——出発の日が迫るまでは高所へ行くという感覚がさらさらなかった。というのも、「この道は地元の子どもたちが通学にも使う道でひょいひょい歩いてますよ」と世話役のA女史が事もなくいう。「それに以前と違って道が大分整備されて歩きやすくなりましたよ」と。この言葉に押されて不安が一気に解消された。
 出発日が迫るにつれて一日がとても短く感じられた。今までの観光旅行と違って体験旅行だから、あれもこれもと準備に追われ、時間がとても短く感じられるのだ。近くの裏山へ行くのならばそのままでも行ってこられるのだが、海外の山道を歩くのだから準備は万全にしておかなければという思いがあった。旅慣れていれば現地調達は可能で、現にカトマンズで不足分を調達した仲間もいた。日本で誂える値段よりもはるかに安く、品質もメーカー品が入手できるのである。余談だが、各国の登山隊が帰国するのに使用済みの登山用品を売って費用の足しにするという話も聞いた。
羽田空港に参集した仲間は皆大きな旅行ケースを一人ずつ持ちザックを背負っていた。こちらは二人で旅行ケースは一つ。ザックはそれぞれに背負っていたが、そんなに大きくないケースに二人分詰めた。仲間がそれを見て「信じられない」を発していた。当方では最低限の必要品に絞り込んでのもので、都会に行くのではなく山へ行くのだから余分なものは極力そぎ落としたつもりでいる。それにネパールの国内線は一人当たりの重量制限がある。そのために山で生活できる最小限のものを持参すればよい訳で、後は都会で着替える衣類なのでそんなに多くなくても良い。旅行ケースには残った衣類を入れて下山してくるまで、カトマンズのホテルに預かってもらった。(つづく)


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◇よろず評論(52)  <生まれ育った地域を訪ねて>  【鈴木迪雄】   
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年末から正月にかけて10日間の休日。生まれ育った中野・高円寺・阿佐ヶ谷界隈を歩く。

1.高円寺庚申通り
通学・通勤・買い物で通いなれた道。JR高円寺駅まで歩く庚申通り。みずほ銀行高円寺支店を経て、途中に鎮座している「庚申塔」
正徳6年(1716年)、高円寺村の講中10人が悪病退散・村民安全を願って建立したもの。昭和20年(1945年)、東京大空襲の際には戦火によって塔の一部が破損したが、昭和37年(1962年)に修復した。
庚申通り商店街の守り本尊として、人々が朝夕熱心に信仰されている。

2.啓明諸学校
昭和7年1月、東京府豊多摩郡野方町大字上沼袋67番地で生まれて昭和13年4月に東京市野方第五小学校(現在の啓明小学校)に入学し、昭和19年3月に同校を卒業した。86歳になって母校を訪れた。通学当時の校舎でなく、近代的な校舎に創立92周年の旗がなびいていた。

3.八幡神社
帰り道、大和町二丁目の八幡神社に立寄る。表参道から社殿への雰囲気は、小学校時代参拝した当時と変わらず風格をしのばせるものが感じられた。永承年間(1046年~1052年)源義家が奥羽征伐の途中にここで陣をしき、石清水八幡の遥拝所を設け軍陣祭を行った跡地に、義家の武勇を慕う村民らが社殿を造営したといわれている。
4. 大和小学校
我が家の近くに長男と長女が通学した大和小学校がある。2018年11月をもって解体され、若宮小学校と合併し美鳩小学校となる。平成32年11月に新築校舎完成の予定。

5.蓮華寺(日蓮宗)
朱塗りの立派な風格のある山門の寺。この門にかかげてある「泉光山」の額。山門を入るとすぐ右側に鯉が泳ぐ“心字池”。小学校一年生の遠足の地であり、“どんぐり”拾いをした。蓮華寺の前を通って、関東バスの停留所“お伊勢の森”からバスで中野・高円寺・阿佐ヶ谷に出て、中野の早大オープンカレッジ。丸の内の慶大「夕学五十講」。武蔵境の亜細亜大学で「アジアウオッチャー」を学ぶ。   (了)


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【続きを隠す】
中野稲門会続メールマガジン216号(2018/12)
掲載 2018.12.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
2018年12月号

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◇よろず評論(51)  <阿佐ヶ谷界隈>  【鈴木迪雄】   
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高円寺・阿佐ヶ谷駅ができたのは大正11年7月。その翌年が関東大震災である。これを契機に住民の移動がはじまり、ここら一帯はいつしか郊外の住宅地となる。

私の父は大正13年上京して石油会社に就職。昭和3年結婚し高円寺に住んだ。
私は昭和7年1月。野方町大字上沼袋で生まれ、昭和13年に野方第五小学校へ入学。
大和町で育った私は、大学卒業後造船会社に勤務し、9年間広島の因島。大阪勤務以外は大和町住い。
都心に向かう通勤電車“中央線”の常連であるが、中央線の駅のホームが短いため10両編成であることに気がつかなかった。
東中野―立川間は、ほぼ一直線に走っているが、新宿―東京間はS字を描くルート。そして、中央快速線は高円寺と阿佐ヶ谷と西荻窪には、土日祝日は停車しない。中野―三鷹間の複々線化と東京メトロ・東西線の直通運転があるからだろうか。
たまたま、杉並区役所の助役が高校の後輩だったことから、七夕祭以外に阿佐ヶ谷の活性化方策を考えてくれないかと相談されてお手伝いをした。

阿佐ヶ谷は、井伏鱒二や三好達治・尾崎一雄・太宰 治らが集る場所として中華料理店の「ピノキオ」の話は有名だった。
大和町生まれで高円寺育ちの私は、ギターをかついだ若者を見かけていたので阿佐ヶ谷駅南口広場で“ジャズ・コンサート”を思いつき助役に話をした。
毎年8月下旬に行われる阿波踊りは、昭和32年から行われ高円寺商店街の振興と駅近くにある氷川神社の祭礼のために、高円寺商店振興組合青年部が何かイベントを開催しようと考えたのが登場である。
本場徳島の阿波踊りの動員数に迫る規模で本場とくらべても遜色のない規模である。
高円寺商店街は、道路巾が狭かったので、狭い道路でもできる祭りとして、道路を練り歩く阿波踊りが選ばれ、大型の神輿など用意する必要がなく、手軽にできる祭として、都心で開催するには丁度いいというメリットがあった。徳島出身者に本場の指導を受け、いまでは高円寺を代表する風物詩となった。一説には、隣の阿佐ヶ谷駅を中心に仙台発祥の祭りを開催していたので、隣の駅が北国の祭りをするなら、こちらは南国名物の祭りをしようということで、阿波踊りにしたという説もある。
とにかく、8月になると高円寺一帯は阿波踊りで話題はもちきり、先輩の阿佐ヶ谷の七夕祭りは静かで、さわやかな夏の風物詩だが、阿波踊りに比べると、あまりにもおとなしい。
私は、その“まち”に住み人が、その“まち”をしるためにワイワイ楽しむことはよいと思う。土日祭日、中央快速線が停車しなくとも住めば都。ユニークなイベントで楽しければ人は集まる。(了)


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◇コラム知技研(70)   <本棚の一冊から(31)>  【遠藤恭一】
=『アフター・ヨーロッパ』イワン・クラステフ著= 
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 著者はブルガリア出身の政治学者である。岩波書店から今年3月に発行された119ページの薄い本で読みやすいが内容は濃い。東欧出身者が見据えるEUとは何か、又現在のヨーロッパが抱える問題、特にポピュリズムの発生した原因について、今までに触れたことが無い東欧から見える風景の違いについて鮮明に描かれている。
「そもそもEUの統合理論は多くあるが、欧州の分裂に関するものはないも同然である。
欧州統合は疾走する列車の様で、決して止まらず振り返らない。それこそがEUの分裂を想像もつかないものにすることが、統合を不可逆的にすることよりも優先された戦略であった」と述べている。一方、現在は寡ってなく統合されている面もある。政治リーダーたちと庶民が分裂を恐れてすくんでいるその瞬間に治安面・あるいはドイツ人が真剣にイタリアやギリシャの経済・財政問題に関心を持っている。ポーランド人、ハンガリー人がドイツの難民庇護政策に注意を払わざる得なくなっている。自国優先の在り方を模索する中でも、
EUを自国と切り離して考えることがやはり難しくなっているのも事実であるという。

この数年のEUの危機は、その理想とした域内自由移動の観点から派生した問題であるとの言及は鋭い。ヨーロッパ知識人エリートと一般庶民の間の亀裂は如何にして起こったのか?著者は明確に域内自由移動が一般庶民ではなく、各国のエリートによってなされたという。東欧では多くの人口が西欧へ流れ、例えばブルガリアの人口は過去25年間で10%が外国で生活する為に国を離れた。現在の国連の予想では同国の人口は2050年までに約27%減少する。即ち、「民族消滅」への警鐘が東欧の多くの小国に見られる。現ブルガリア人口700万人の内210万人が外国に住むという実態がその意味を明確にしている。エリートは国を出て戻らず、比較的貧しい庶民だけが国に残る。実はこうした現象は西欧諸国にも見られる。ブラッセルのEU 本部で働くエリート官僚はヨーロッパ各地から集まり、全体の行く末を見つめ、加盟各国の実情を見ないふりをしているとしか言えぬ行動を取る。このことは各国に衝撃を与えている。各国に残された庶民は難民受け入れの枠を押し付けるEU官僚と自国政府とに鋭い批判を展開する。民主主義と言いながら何ら庶民の生活そのものに対する寛容な政策や人口流失に歯止めを掛けられない。この点から各国の庶民の希望を吸い上げる様な中間的な組織がないことが原因かもしれない。

そのことが各国で独自のポピュリズム運動を生む素地になっている。東欧圏では難民に対する同情も欠如している。寡って多民族国家だったこうした東欧諸国も分裂により既に純粋性が増しているという。高等教育を受けた人材は外国に出て戻らない。難民はインターネットの普及で自分のおかれている状況を他の同様な環境にいる近隣の庶民の生活と比較することはない。彼らは自分の生活を地球上の最も裕福な住民と比較する。人類が統一に向かうにつれて諸国民間の不平等は階級間の不平等が寡って有していたのと同じ重要性を持つようになった。そして欧州に難民が押し寄せる。著者はEUの将来について必ずしも悲観的ではない。勿論楽観してしている訳ではないが全く希望を失っているわけではない。
次に何が起こるか判らないが全く予想もしなかった転換点が見えるかもしれないとしている。
                                つづく

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◇宇宙川柳 ・手前の太道(134)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。

横綱が勝ってうれしい花いちもんめ
レモン月二つ寄せ合い朧月
しょうがない次の万博迄生きるかな
バスの中スマホの方はお詰め下さい
働かず楽な生活国勧め

我が家にはどこか潜む神隠し
ユーモアが無いのは思想無いからか
同じ人書いた祝辞か区長と議長
我が妻に振込め詐欺を見破られ
ホームラン草も総立ち草野球

★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
Y談もピクっと生産性を上げ
ゲートウェイ は高輪のことかと内蔵助
ミニ座り向いは新聞逆さ読み
ヤラシイ事思うと相手もわかるらし
日産に除夜の鐘は浸みわたり(謎解き川柳?)

★平成最後の「いろは川柳百句一人」 
宇宙川柳家元東柳 のお知らせ2000年より作句を始め、月に約100句作り、一万句を越えた中で「平明で語呂良く耳にいとおかし」ものを100句選び百人一首ならぬ「百句一人」を編みました。御希望の方はメールいただければメールでお送りします。お楽しみ下さい。

★第10回ナポリ・リサイタルの報告
11月24日(土)ナポリ市の主催で世界遺産のカステル・ヌウォーボ城内ロッジアにて16:30より「T・ヒガシ ナポリの心を歌う」は満員で立見の方も40人位出て大変な盛り上がりで、ベズビオを眺めながら熱唱しました。一人で行って、3年前に竣工した住宅の竣工検査もし、サンカルロではロイヤル席でオペラも観ました。コンサートにはそのサンカルロで歌っているメゾの日本人の洞口さんも飛入り共演していただき、打上げにも来て下さり感謝感激でした。ナポリのロサルバさんを始めとして持つべきものは友達です。
ナポリコンサートチラシ


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中野稲門会続メールマガジン215号(2018/11)
掲載 2018.11.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
2018年11月号
  
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◇コラム知技研(69)   <本棚の一冊から(30)>  【遠藤恭一】
=『ノモレ』国分拓著= 
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 ペルー、アマゾン川最源流地域に住む未接触未開人のノンフィクション物語である。NHKスペシャル「大アマゾン、最後のインラド」を制作したディレクターの著作である。著者の前作「ヤノマミ」も面白かったが、「ノモレ」も一段と考えさせられる。「ノモレ」とは「仲間」を意味する、先住民イネ族の言葉である。

 約120年前の1902年頃、イネ族の5人の男達が白人のプランティションでの奴隷生活の重労働から、白人責任者を撲殺してジャングルの奥へ逃げ出した。白人たちは銃で武装して何処までも数か月にわたり彼らを追いかけて行ったがついに見つけることが出来なかった。その後100年以上が経過しているが、イネ族の長老からこの5人のノモレを探せと代々受け継がれて来いる。その子孫であるロメウ・セバスチャンは先住民族ながら高等教育を受け先住民のリーダーとして現地に戻りペルー政府と先住民との仲介役を担っている。奥地で未接触な未開人との交流があったと聞けば現地に赴き状況を把握して政府に報告する。然しその交流は必ずしも友好的なものばかりではない。森の奥、一人でいるところを矢で殺害されたり、村全体を襲われたりと事件は結構頻繁に起きる。ロメウはその度に声が掛けられる。何度もこの未開人と接触を試みる。ある時その人々から徒ならぬ気配を感じ川向で彼を呼ぶ小集団に遭遇する。小型ボートで対岸に亘り接触を試みるとロメウの所属するイネ族の言葉も若干を通じる。小さな家族の集団であった。もしかしたら例の逃げた「ノモレ」の子孫かもしれない。呼ばれた事情はその娘がジャングルでジャガーに足を噛まれ苦しんでおり助けて欲しいとの要請であった。未開人との接触は原則政府から禁止されている。なぜなら彼らは現代人が持つ多くの病原体に対し全く抵抗力がない。簡単な風邪の様なものでは彼らには死を意味するからである。

やむを得ぬ場合の接触時間は10分程度に制限されている。ロメウは自己の判断でこの少女を救うことを決め無線で比較的近い村に住む白人の医師に診断を依頼する。未開人には1日待ってくれ。必ず治療すると約束して医師を待つ。村から現地までは20時間ボートで掛かるがロメウの親しい医者が駆けつけて翌日約束の時間に再会する。怪我した少女は医師に「ジャガーを殺したことはあるか」と尋ねる。どう答えるか。正直に医者は殺したことはない。ジャガーを見たこともないと返答する。娘は白人の医師が「勇気ある男」かを尋ねた様だ。然し白人医師の返答に無言であったという。尚、この娘は近代医学の治療で回復を果たす。然しこうした接触も継続する様で必ずしも進展するわけではない。彼ら未開人が要求するのは食料のバナナである。近代社会でも大量のバナナを集めるのは大変な労力がいる。一方、そうした未開人を見たいと世界中から大挙して観光客がアマゾン奥地にやって来る現実もある。岸辺に出来るだけ近づき写真を撮ろうとする。そうした現代社会の現実と向き合いながらロメウは未接触未開人との交流を如何に進めるかを考える。簡単に結論のでない話である。現代人の時間と未開人の時間はその概念が違う。彼らは最終的に現代化され社会の一員になるのか、あるいは国家の保護の下、彼らの生活スタイルをそのまま継続することが出来るのか?果てしない論争が続く。又どちらが良いのかも判らない。読み終えて深いため息が出る。我々はどうすべきなのか。
特に接触により細菌に対する免疫力を持たない彼らを死に追いやるリスクをどうコントロールするのか難しい問題でもあるからだ。
                                 つづく

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◇宇宙川柳 ・手前の太道(133)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。

次官とは次に汚職で辞める人
陽だまりの釣り堀並ぶ羅漢様
セキスイは一級地面士に喰わされる
女動物オスは獣 
スバル不正ハンドルブレーキ皆効かず

筋金は残っているがチト錆びた
美女遅刻良しと思わぬ一人俺
便利とは何もしなくて良い自由
料理酒セットで文化是至極
死にとうない あの世に酒がなさそうで

★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
韓国語よく聞くのはスミダ区か?
Tシャツの鉄腕アトムも太鼓腹
同窓会冥土にも或り終身会
発泡酒辞書で引けばジェネリック
生命線切れてて生きてる俺だあれ

★今月のリメールコーナー(遠藤智様)
「御迷惑献体しても我が脳を」10月号家元
私は、数十年前に東邦大学医学部に検体を届け出ています。それで、
毎年医学生の報告やら学者の講演に呼ばれます。脳は勿論ひどいですが、
腹が大変です。こんなに黒いのは初めてと医学生に言われそうです。(遠藤智様)

★今月の投句コーナー(西野進一様)
オレオレと乳離れせぬばか息子
三朝庵人生劇場幕下ろし
(小渕さんに雄弁会入りを勧誘された早稲田名物そば屋112年に幕)
バカヤロウ腹から言える店欲しい
トレセンでおだてに乗って筋肉痛

★平成最後の「いろは川柳百句一人」 宇宙川柳家元東柳 のお知らせ
2000年より作句を始め、月に約100句作り、一万句を越えた中で「平明で語呂良く耳にいとおかし」ものを100句選び百人一首ならぬ
「百句一人」を編みました。御希望の方はメールいただければメールで お送りします。お楽しみ下さい。

★第10回ナポリ・リサイタルのお知らせ
11月24日(土)ナポリ市の後援で世界遺産のカステル・ヌウォーボ城 コンサートホールにて16:30より第10回海外リサイタルを開きます。在イタリアの方、日本からの方、聞きに来て下されば幸いです。

★健康法師に感謝  
11年前の10月より中野のTACで、バタから始める個人メドレーで1,500mを月6回約50分、1年で112.5Km泳ぎました。自由形の1,500m
は40分前後。フォームは大きくなりましたがタイムは遅れ気味です。
国内のマスターズの参加標準記録はクリアしています。今年も無事続けられたことを健康の神様に感謝。


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東 直彦
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◇よろず評論(50)  <亜細亜大学で学ぶ> 【鈴木迪雄】   
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土曜日会報の亜細亜大学アジア研究所の公開講座に通う時は、中央線・武蔵境駅で下車。土日・祝日は高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪の三駅は停車しないため、中野駅に出て快速に乗車して武蔵境に向かう。武蔵境は1889年(明治22年)に開業した歴史をもつ駅。開業当時、中央線の前身である甲武鉄道の起点駅である新宿から立川まであったのは、中野と国分寺と武蔵境のわずか三駅であったという。
武蔵境駅誕生には、20代の若者の並々ならぬ情熱があったと伝えられて、駅開設のために自分の田畑を無償で提供したうえに、隣村の保谷や田無に通じる道路の建設、さらに玉川上水に橋を架け、深大寺に行く道路を整備したといわれる。このためか武蔵境には亜細亜大学があり若者集う学問の街となっている。

毎年、6月上旬から7月上旬にかけての土曜日・午後2時から3時30分、亜細亜大学5号館で5回にわけた公開講座に出向く。中朝関係・香港の民主化運動・シルクロード経済圏構想・南シナ海の領有権問題・台湾問題をとりあげた平成27年の講座。
平成28年の講座は、アジアにおける地域統合・ASSAN経済共同体・TPPの概要・韓国のFTA戦略・中国一帯一路構想。平成29年度の講座は、トランプ政権・米中経済摩擦・イギリスと27ヶ国ノEU・米の中東政策・北朝鮮の核実験。
平成30年は「中国の夢は実現するか」でデジタライゼーションによって新たなステージに入った中国経済・習近平の長期政権の作用・反作用・人民元“国際化”の実像・一帯一路構想の展開と日本・習近平の社会保障~変容する“夢の親孝行”だった。
以上の定期講座のほか“アジアウォチャー”特別講座もあり、ミヤンマー・トルコ・ベトナムなどをとりあげた。

更に、アジア研究所所報でミンダナオ・朝鮮の南北問題・モンゴル・カンボジア・北朝鮮の核・日中経済交流など講座で聞かれないアジア諸国の現状を解説している。
中央線は夜間を除いて、すべては快速電車という変わった路線で快速には五つの運行パターンがある。「快速」・「中央特快」・「青梅特快」・「通勤快速」・「通勤特快」だ。
杉並区と区境の中野区大和町四丁目に住む私は、高円寺と阿佐ヶ谷の両駅を利用するが、東京―中野間を快速運匲する列車「快速」は土曜と休日は、高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪は通過となる。
中央線は一見複雑な運行に見えるが、中央線を上手に使いこなせば移動時間の節約になり、とても便利である。休日、父と母に妻が眠る高尾の東京霊園に墓参にいくときは、我が家の近くの関東バスのバス停“お伊勢の森”から一旦中野駅に出て、「特別快速」に乗車し高尾へ。墓参後「特別快速」で中野駅に戻る。阿佐ヶ谷・高円寺を通過しても時間節約になる。      (了)

 
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◇田舎暮らし187 ) <秋の装い>    【中野信吾】    
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 今年の秋は早めの気配を感じたような気もした。9月下旬の雨、台風24号と天気の不順な日が多く、秋晴れというのにはめぐりあえない日々が続いていたようにも思える。また、秋の全山満開の紅葉の便りは少なかったようにも感じられた。秋が山頂から麓へと時間をかけて下ってくるのが遅いようにも見えるのは、それだけ下界が暖かいということなのだろうか。先月下旬に霜が一度だけ降りたという話も暖かい証拠なのかもしれない。今、田舎の裏の山は全山紅葉真っ盛り。――ナナカマドの真っ赤な実が霜とのコントラストで赤さを増し、また、霜が降りて冷たく手指が“かじかん”でうまく動かず痛かったという記憶が思い出された。子供のころ道祖神祭りで親方を務めていた頃のことだった。

 秋の天候不順は野菜にも影響を及ぼしていた。一時、東京で青物が相当高かった時があった。8月下旬に野菜の床を作って播種したものの、生育の途中での天候不順は本来の臨むような形になかなか育ってくれない。矢張り丹精を込めて手入れをしなければ作物はそれに応えてくれない。期待するほうが無理というものだろう。冬支度で庭の植木の間に生い茂っていた雑草を刈り取って野焼きをした。昔からの慣習でつい行ったものなのだが、火災予防には万全の注意を払っての作業だった。

 屋敷の周囲に植えられた二本の柿木は先日の降霜で葉を落とし、赤く色づいた実が秋の彩を添えている。雨樋に溜まった落ち葉を取り除く作業を兼ねて、ついでに二籠ばかり実の収穫をしてきた。これをなんと東京のベランダで干し柿に仕立て上げようという魂胆だった。干し柿は日照と乾燥が大きな条件となる。それに干す場所が左右する。干す場所が制限されるので百余個の柿干しを二度行なった。初回は気温が高く湿度も高かったせいか、あまり上出来とは言えないがまあまあに仕上がった。干し柿は甘みもあり柔らかだったが、白い粉を噴かせるための稲わらを敷かなかった(無かった)ので粉がついてない。手作りの干し柿は久しぶりで、本来の柿の甘みを味わった次第だった。
  
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中野稲門会続メールマガジン214号(2018/10)
掲載 2018.10.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
2018年10月号
  
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◇田舎暮らし(186) <キノコ採り>    【中野信吾】    
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 山へキノコ採りに行った。といっても半世紀以上も前に体験してからだから、採れる訳がない。それも思わぬところからの誘いでその手に乗ったという始末だった。時期になるとキノコを食べて中毒になったとか、死亡したというような報告がときどき散見される。こわい話だ。この歳になって、そんなバカなことと思ってみたが、山に入り身軽に動き回ることができるだろうかという不安もないまぜにあった。体力の衰えは否めない事実だし、もうそろそろここが限界かと意を決しての参加だった。

 子供のころ母親が山へキノコ採りに行き、籠一杯に採ってきたのを思い出す。それに比べて自身のキノコに対する貧弱な知識だったことは今更悔いても仕方ない。ザル一杯に栗木の株に自生していたクリタケを採ったことはいまだに忘れられない。また、シメジ,サクラシメジ、ハナイグチ(ジコボウ、リコボウ)、コムラサキシメジなども採った覚えがある。田舎に疎開したころ裏山の松林の中で地面からひょっこり頭を出していたキノコを採り、祖母が囲炉裏で蒸し焼きして食べさせてもらった記憶がキノコに対する初見だった。

 地元にいて近くの山に出掛けるのは、そんなに労を厭わないが、先述のように種類を忘れてしまった上に体力も不十分。東京から山へのアプローチは初めてだった。ハイキングと思えば違和感がないのだが。キノコの採りの場所を決めるにあたっては、山側か谷側かに参加者が分かれた。自分は脚力を鍛えるために山を選んだが、同行者は若い方もいて足も速い。採取にあたって人の後を歩かないことが鉄則だ。山の頂を目指して皆散らばって歩くので、時折自分の位置を確認することも大切。倒木を踏まない、獣道を歩くので振り返って周囲の景色を記憶するなど。採れる場所は大方尾根筋から日陰の斜面が多いので、時には崖を滑り落ちることもあった。良いアルバイトだった。少しの収穫があったが、最初からキノコの収穫は無理と見越した。昼食時、現地の川原で採ったキノコで鍋汁にして堪能した。

 キノコ採りは慣れた人と一緒に行くことは、採ったキノコの鑑定にもつながる。山をよく知っていれば、それだけ収穫も多い。体調など無理をしないのと食料や水も充分に持参するのがよい。今回は中央線の甲斐大和駅下車、バスで景徳院まで。そこから大鹿峠付近の尾根筋間でキノコ狩りした。(キノコ名は子供のころの記憶していた名前で地方呼称名)
 
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◇コラム知技研(68)   <本棚の一冊から(29)>  【遠藤恭一】
=『外国語を身につけるための日本語レッスン』三森ゆかり著= 
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 著者はつくば言語技術教育研究所の所長である。東京で生まれ中学・高校の4年間をドイツで過ごす。青年期にドイツで徹底的な言語の基本を身に付けたのであろう。この本に出合ったのは私の活動と直結しているからだ。その活動とは私が高校生向けに「グローバル化する社会で皆さんは何を考え行動すべきか」といったテーマで講義をしている時、生徒からは良く英語の勉強法に就いて質問される。答として「母国語以上の外国語は喋れない」、それ故正確かつ美しい日本語を話す様に心掛けよと話す。そんな中で出会ったのがこの本である。

外国語は私たちの日本語と構造が違いその構造への理解なしに勉強してもなかなか上達しないと著者は述べている。一つの代表例として下記の文書が載っている。京都のあるホテルのバスルームにタオルの上に説明文カードがある。

日本語では:『当ホテルをご利用頂きありがとう御座います。少しでも自然環境を保護する為、次のことにご協力お願いします。取り換えご希望の方はご使用後水槽の中に入れておいて下さい。取り替えずに再度ご使用頂けるタオルはタオル・ラックの上かタオル掛けにおいて下さい。ご協力ありがとう御座います』

英語では:Dear Guests, Can you imagine how many tons of towels are unnecessarily washed every day in all the hotels over the world and extraordinary amount of washing power needed which thereby pollutes our water? Kindly consider (一部省略) For the sake of our environment.

上記の違いは何を意味しているのかとの質問がある。それは外国語ではなぜタオルを1回使用しただけで取り換えることが環境にやさしくないかの理由を挙げている。日本語はタオル交換をなぜ自粛して欲しいかの理由と背景説明が全くない。日本語には自然保護という言葉から英文で説明されている無駄な洗濯によって水質汚染に繋がるとの理由は全く想像出来ない。この注意書は日本語と英語の言語感覚の相違を如実に示している。即ち、曖昧な説明でもそれ以上追求せず、たいした疑問を持たずに済ますのが日本人。あるいは日本の特徴と指摘する。欧米の言語教育は技術としての立ち位置から始まる。コミュニケーション・スキルとして「話す、聞く、読む、書く、考える」であり特に子供の考える力と自己を表現する力を伸ばす教育に力を入れているという。

一方、我が国ではそうした実態がない。あるいは言葉をコミュニケーション技術としては捉えていない。そこで日本語をより外国語的な構造表現をするためには、主語と目的語をはっきりさせる。表現する内容では自分の意見をはっきりと述べることを学べとしている。例えば、外国人との会話では、彼らは「なぜそう考えるのか」を連発して来る。そうした対応で日本人は苦労する。先に挙げた例の様にその背景をあまり追求し、考える習慣がないからだ。常日頃から「なぜ」そうなるのかといった考えを持たない我が国の人々が突然「なぜそうなのか」を突き付けられると答えに窮する。高校生でも英語で小論文を書く、あるいは説明文を作るにあたりその技術を教えられていな為苦労する。英語を小学校から教えることが正式に始まる。然し、まず日本語での「話す、書く、聞く、読む、考える」を一つの技術としての観点から技術として何が重要かを教える体制を構築した後でないと英語を教えるといった意味も大いなる無駄に終わってしまう可能性がある。要は話す内容が重要で、その理由と背景を考え、答える力がないと外国人とのコミュニケーションは成り立たないと思うからだ。私の高校生に対する「美しい日本を話す」ことに加え、明確にそう考える理由を説明できる習慣を身に付けるべきとこれからは回答したい。
                             つづく

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◇宇宙川柳 ・手前の太道(132)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。

 全員野球 右打ち外野ばかりなり
 健康で二日酔いだけ持病です
 暴力団女性いないの不均等
 母ちゃんは子褒め言葉のマジッシャン
 絆には傷がつきものやや痛し

 御迷惑献体しても我が脳を
 凧逆風昇り順風直に落つ
 来客が物皆二階へ疎開させ
 七夕で豪雨で茶色の天の川
 足腰が動くうちに是非徘徊

★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
 夏五輪七輪程の暑さかな
 混浴だ ニヤニヤ行けば猿とだと
 幼少期璃花子は床で泳いでた
 女とは身も心も中味だね
 意味不明 隔世の感を 隠せの勘

★今週のリメール(渡辺忠様)
「加齢ですと言わぬ医者は名医です」9月号家元
 同感です!

★今週の返句コーナー(西野進一様)
「腹を割り吞むから酒が漏れるのだ」家元8月号
「腹割って飲む酒一人胃潰瘍」

★今週投句コーナー(西野進一様)
「チリチツチ 稚拙なれども 秋一番」秀句
「おれも喜寿 さ跌を重ね 小吉か」秀句

★平成最後の「いろは川柳百句一人」 宇宙川柳家元東柳 のお知らせ
 2000年より作句を始め、月に約100句作り、一万句を越えた中で「平明で語呂良く耳にいとおかし」ものを100句選び百一首ならぬ
「百句一人」を編みました。御希望の方はメールいただければお送りします。お楽しみ下さい。

★9月9日(日)サントリーホールにて第26回リサイタル「テノール・
ヒガシ直彦・我が心のカンツォーネ」の御礼ご参会の大勢の方々に心から御礼申し上げます。後半感無量になって歌詞が多々不明朗になりましたが、前半から声も出て声楽家としての修練の成果はそれなりに出せたと思います。でもまだまだアンナモノではありません。伴奏をして下さったアンサンブルの柴田、武藤、晝間の皆様の素晴らしいソロ演奏にも感動しました。

★9/17(祭)日暮里サニーホールでの第15回くどう式発声講座と9/28(金)日暮里サニーホールでオペラガラコンサートの来場御礼公開講座の時は声はまあまあ出ましたが、最後のCが今一つでした。
ガラコンサートの日、山手線が止まり慌てて振替乗車をして、ウロタエて舞台衣装を紛失して慌てて探してギリギリ間に合ったのですが、歌に集中出来ませんでした。申し訳ありませんでした。

★第10回ナポリ・リサイタルのお知らせ
11月24日(土)と25日(日)にナポリにてリサイタル及びコンサートを行います。時間と場所が確定次第お知らせします。
精一杯やって来ます。

★株式会社東綜合設計事務所45周年記念
おかげ様で10月1日で我が社も無事創立45周年を迎えることが出来ました。忙しさに追われるだけではなく、所員共々今一層の集中力が必要です。これからもよろしくお願い申し上げます。

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東 直彦
㈱東綜合設計事務所
東京都中野区中野3-2-1 リバース中野601
TEL:03-3384-9301 FAX:03-3384-9380
E-mail:higaships@siren.ocn.ne.jp
URL :http://www.higaship.com
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◇よろず評論(49)  <大先輩から学ぶ > 【鈴木迪雄】   
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 理研ビタミン・永持孝之進名誉会長は岩手県に愛着をもたれ、わが国と中国の食品業界事情を理解して経済活動の促進に取り組まれた第一人者である。
特に、地元でつくったものをもっと広く国際的なグローバルな視野で売れるところを探す。そして行動はしっかりと自分の地域・ローカルに根づく―-グローバルとローカルを併せたグローカリゼーションがこれからの潮流で、グローバルな眼で勉強しローカルなものを世界に販売する智恵をもって、地球経済をおこすことが大事と教えて下さった。

そしてまず、自分の仕事を一生懸命やること。社会に出てからの勉強―-いわゆる社会大学でどれだけ学んだかで差がつく。重要なのは、職務上の「必須科目」を一生懸命勉強すること。

第二は、やれるものならやってみろだ。社会的に意義ある仕事をしていれば、袖ふれ合った同業者と融和して業界を育てていく。業界の中でお山の大将になる。

第三は薄情なくらいが丁度いい。もっとも大切なことは、社内に緊張感・危機感を浸透させること。感情に訴えていくコミュニケーションが必要だ。

第四は、夢と志。行動して這い上がること。みずから熟慮して、その寸法に合わせて夢をもつ。大言壮語はしない。社会悪に連なるようなことでなければ、みずから考えて、望みを控えめにしても事業を成就することが出来るものを目指す。選り好みの余裕は存在しない。事業とその業際の一つ一つを勉強して事上練磨すること。

五つ目は、「読み書き・ソロバン」。読み書きは商品知識のこと。ソロバンは採算性・数字がわかる。これは現代ビジネスマンに絶対必要なこと。特に、ソロバンが大切で経営バランスシートが理解できるということ。技術の評価もソロバンのうちの一つ。収益性はどうか、マーケットの成長性はどうかということだ。

永持名誉会長は自分の夢を描き、志を立て実行され、会社を起こした創業経営者である。
私のお世話になった造船会社はリストラ・建設会社は倒産・合併の会社更生法・農業機械の会社は事業収縮の民事更生法だったが、心と健康のバランスをとりながら、常に挑戦する姿勢を忘れず、自分を創り変えて社会のために自分を生かす道を学んだ。多くの良き友人に恵まれてネットワークが出来て情報脈をつくり出した。ピンチに見舞われた会社で育ったことで、まず発想する。発想をふくらませて動機づける頭の転換こそ最大の起爆剤。自助自立は元手不要。まず頭を動かすことが先決だった。

最近本屋の店頭で100年人生についての本が目につく。100才人生を安心して暮らすために老後という発想を捨てて自らの人生を生き抜かねばならない。自分自身のことゆえ老後という発想を捨て学び直しをしている。 (了)


 
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中野稲門会続メールマガジン213号(2018/09)
掲載 2018.09.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
続メルマガ213 号 (2018/9/20)  

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◇よろず評論(48)  <泉光山蓮華寺 > 【鈴木迪雄】   
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 阿佐ヶ谷駅北口から中杉通りを経て、中野駅北口に向けて走る関東バス。途中バス停「お伊勢の森」がある。区立杉森中学校から杉並区立児童遊園にかけての一帯で、JR中央線阿佐ヶ谷駅北側にある神明宮の旧社地である。
江戸名所図絵には、12代景行天皇四十周年に日本武尊が蝦夷を征服して凱旋のとき、ここで休まれたので、土地の人が武尊の武功を慕って、社をつくり神明宮としたと書かれている。また、その後、建久年間(1190~1198)この土地に住んでいた横井兵部という人が伊勢神宮の参拝に出かけ、勢川(今の三重県)熊保野に泊まった夜、大神宮のお告げがあり、伊勢宮川から持ち帰った霊石を社に安置して御神体にしたともいう。
祭神が「天照大御神」で伊勢神宮と同じところから、土地の人は旧社地を「元伊勢」と呼んだ。その後は「お伊勢の森」といって親しまれている。

 私が子供の頃、現在の中野・四季の森公園に電信隊があり、その兵士がラッパの練習にきていたので、「ラッパの森」ともいわれた。
昭和21年に中央気象台研究部として気象・地象・水象等に関する研究を目的に当地に再発足し、昭和22年に気象研究所と改称された。昭和55年、筑波研究学園都市に移転するまで34年間に亘り、わが国の気象・地象・水象に関する現象の解明と予測に貢献した施設。筑波に移転した気象研究所跡地は国から譲りうけて杉並区立馬橋公園が造られた。関東バスの「お伊勢の森」停留所。停留所の斜めの道に入ると朱塗りの風格ある山門がある。この門に「泉光山」の額がかけてある寺「蓮華寺」だ。山門を入るとすぐ右側に「心字池」がある。金網をはってあるが、昔は良き風景だった。明治41年、文京区小石川関口台町から移転してきたそうだ。

 私が住む家は、「蓮華寺」を過ぎて中野区と杉並区の境になる道を右に曲がる。早稲田通りが近いが、蓮華寺の近くなので閑静な住宅街。
昭和7年1月、東京府豊多摩郡野方町大字上沼袋で生まれた私は、昭和19年、改名された東京都啓明国民学校を卒業した。
中学時代に興味あって我が家のルーツを調べたところ、紀州熊野で熊野神社の宮司をつとめていたという。その祖先は、文治5年(1189年)源義経に従って奥州に赴き衣川(岩手県胆沢郡)で戦死した鈴木三郎重家とわかった。この鈴木三郎重家の200年後の末孫が鈴木九郎で、室町時代初期、武蔵関に来て多摩郡中野郷に住んだとか。東京史跡ガイド・中野区史跡散歩の本ではじめて知る。
私が住む中野区大和町4丁目。どことなくゆとりと落ち着いた住宅街、住み良い・居心地がよい。ひっそりとたたずむ蓮華寺の木々に夕方多くの野鳥が集まって賑やかだが、夕暮れになると鐘の音が鳴り響き静寂さをとり戻す。          以上

  

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◇田舎暮らし(185) <秋を感じた20180912>    【中野信吾】    
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 9月も半ばになると季節が秋に向かって進んでいるんだと実感されるようになってきた。ついこの間まで薄いタオルケット一枚で過ごせた寝具も、昨晩はもう一枚ほしい気温だった。当地の朝の気温が16℃と下がり、北海道の稚内では氷点下を示したとテレビが報じていた。8月下旬に汗水たらして苗床をこしらえて、大根とほうれん草の種蒔き準備に備えたときの気温が嘘のよう。種蒔きは時期を逸するとその後の育成が難しい。今年はその後の降雨で無事発芽し、順調に育っている。だが、降り続く雨で畑はぬかるみ、発芽した苗を間引く作業は先延ばしとなってしまった。ミニ菜園は順調にスタートしたようだ。

 我が家の手入れをしない庭は早春のフクジュソウから始まり、開花した草花が絶え間なく続いている。先日、帰省した日は当地のコスモス祭りで観光客が多く訪れていた。かつて村の老人会がR254沿いに植えたコスモスの開花は街道に彩を添え、特徴ある国道として知られるようになった。今では地域起しの祭りに昇格して市の立派な観光振興の一端を担うまでになっている。秋といえばススキ。我が家のヤバネススキ(葉が斑入り)も穂バラミしている。雑草の生い茂りもそろそろ限界にきているようで、ひところのような勢いは収まってきているように見える。

 秋晴れを望むのはもう少し先のようだ。東京にいて郷里の天気を気にするが、天気の推測は第一に山梨県の甲府の予報と関東地方の前橋の予報をミックスして、軽井沢の南ブロック辺りに見当つければ、大体の予測が読めるようになってきた。長野県の南部や北部の気候とは大きく違い、ご当地は内陸部の少雨地域にあたり晴天日が多い。だから周囲の地域で降水があっても、ここは曇りか晴れのマークがでる。気温も軽井沢よりも低い時もある。盆地の底と思えばよい。気象条件は厳しいが、晴れの日が多いのは歓迎できる。 晴れて乾燥し湿度が低くなるので、この点は注意を要する。

 農作業は天候に左右される。前回できなかった間引きを一週間後に行なった。まだ畑は若干ぬかっていたが、これ以上遅らせるわけにはいかない。もう少し畑が乾いてきたら追肥して土寄せをしておこう。伸び放題の庭の草花の中に桔梗が夏を惜しむかのようにまだ咲いている。松を始め庭木の剪定が気になるが、これも早めに手配しなければならない。しかし、職人不足で年内に仕事ができるかどうか大変気が重い。
 


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◇コラム知技研(67)   <本棚の一冊から(28)>  【遠藤恭一】
=『ZERO to ONE』ピーター・ティール著 = 
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 最近読んだシリコンバレーの大物IT投資家『ピーター・ティール』についての本を読み、本人の著作もあると聞きこの本を手に取った。2014年の著作であることからIT技術が急速に進化する流れの中ではもう内容が古くなっているのではないかと思いもしたがそれは杞憂であった。この『ZERO to ONE』は寧ろ哲学的と言ってよいものであった。本は14章で構成され、一貫として流れる思想は資本主義とは何か、何が・誰がどの様な行動が最も収益を上げているかについて自身の見解を語り分析している。

 現在も過去も普通の人々は他人が成し遂げた成果をコピーするばかり(模倣する)であり、そこでは他者との競争に明け暮れ「競争世界から脱却することが」出来ない。抜け出す唯一の方法、それは他者からのコピーでなく、新たにゼロから1を生み出すことであるとしている。進歩には二つの形があるという。ひとつは水平的進歩または拡張的進歩という。それは成功例をコピーすること、1からnへと向かうこと。この水平的進歩は想像し易く、既に前例を見て模倣しているからである。より重要なのは、2つ目の形「垂直的進歩」であるという。それはまだ誰もやったことがない「何か」を探る垂直的進歩で、それを想像するのは難しい。具体例として1台のタイプライターから同じものを100台作るのが水平的進歩、タイプライターからワープロを創ればそれは垂直的な進歩になる。中国が20世紀後半から急速に近代化し・成長して来たのはまさにこの最初の「水平的なコピー文化の模倣」といえる。

 著者はこの水平的展開では資本主義下では競争が激しく努力に見合った成果を上げることが難しい。又競争の中で実際には方向性まで見失ってしまうと考えている。
彼は高校時代から成績優秀で他者との競争に全力を投入して他者を負かすことを続けていた。スタンフォード大学を卒業して法曹界に入り超一流の弁護士事務所で競争し、最高裁の法務事務官(数万人の候補者から数十人が選抜される)の最終面接試験で上手くいったと思うも落とされ死ぬほど落ち込むが、そこから彼はただでは起き上がらなかった。競争は一旦嵌るとそこから抜け出せない。競争に勝つことだけが生活の中心になり自己の全てを投入して我を忘れる。その中からは垂直的な創造性は生まれない。新しい何かを創り出すことの方がはるかに豊かな人生を送れるのではないかと。競争は消耗戦だ。誰にも利益をもたらさない。著者は更に企業社会を分析して競争は利益を生まないと確信する。大きな収益を上げている企業は何時でも自分たちの市場シェアーは取るにたらない。競争が激しく勝負に勝っているので収益が上がっていると表明している。然し乍ら、そうした会社を良く分析してみるとほとんど独占的な競争状態になって、その事実を巧妙な他の事実にすり替えて隠蔽している。即ち、他社と競争している様に見せかけているのだという。その事実も具体的に指摘している。著者はシリコンバレーの伝説の大口投資家でもあり、現在の有力IT企業の立ち上げを支援して来た。その思想の原点は上記に指摘した独占的状況の構築、垂直的な展開を支えるのは「テクノロジー」であるとして、新しいテクノロジーに常に注目しているのである。まさに今日本が困難に直面しているのは製造業での「新しいもの」を生み出す力不足なのであることがこの本からも判る。
                             つづく


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◇宇宙川柳 ・手前の太道(131)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、
「手前の太道(ふとみち)」としています。

 陛下より右寄り保々の総裁ごっこ
 弾打たれ蛆虫の餌に母生みし
 加齢ですと言わぬ医者は名医です
 忘却は 人に安らぎ 国に暴力
 くっきりと笑って降参万歳に

 女性皆芸術会員塗装の部
 くの一はミッション請けて紅を引き
 俳句は詩性 川柳は含蓄
 仰向き絶叫 蝉の七日目
 ストーカーをチョット追って社会見学

★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
 金足農決勝迄に金足りぬ高
 これ迄に経験のない天の大下痢
 泥酔の脳死が問うは今何時
 強気妻骨抜きにするすべあった
 いつもボク勝負パンツで前に穴

★今週のリメールⅠ(遠藤智様)
「腹を割り?むから酒が漏れるのだ」家元8月号
今は、飲んでも素面でも言うべきことは言うという時代になりました。
悲しい気もします。

★今週のリメールⅡ(渡辺忠様)
「良く拭けと妻からもらうイエローカード」家元8月号
同じようなイエローカードを連日貰っています。

★ありどおろガラコンサートのお知らせ
9/29(土)17:30~の日暮里サニーホールのオペラ「ジャンニスキッキ」
後オーケストラでカンツォーネを歌います。ブラボーを言って下さる方
は御招待、拍手をいただける方は2,000円、その他の方は4,000円
です。御連絡をいただければチケット郵送します。


家元東柳  連絡先掲載サイトhttp://www.higaship.com
㈱東綜合設計事務所   東 直彦

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東 直彦
㈱東綜合設計事務所
東京都中野区中野3-2-1 リバース中野601
TEL:03-3384-9301 FAX:03-3384-9380
E-mail:higaships@siren.ocn.ne.jp
URL :http://www.higaship.com
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中野稲門会続メールマガジン212号(2018/08)
掲載 2018.08.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
続メルマガ212 号 (2018/8/20)  

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◇宇宙川柳 ・手前の太道(130)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。

腹を割り?むから酒が漏れるのだ
股ずれにしみじみ軟膏夏は来ぬ
角と牙ある方女新成人
メールより直に話そう生き物だから
モリとカケまだまだおかわり続きそう

スマホ地蔵席空き直ちに座り地蔵
洪水で給水なくも自民亭
白内障ゴールが霞み丁度良い
人生の山つらく谷にやすらぎ
立止り考えさせる良い言葉 (即ち是ぞ正に哲学)

★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
ビキニ付け浜で逆立ちニキビの娘
三横綱大関休場小相撲に
猛暑中五輪でなくて七輪だ
少年のミライは全員ミイラかな
良く拭けと妻からもらうイエローカード

★~9月9日世界的ギタリスト柴田杏里さんを迎えて~
 その後11月に第10回目のナポリ公演へ

「テノール・ヒガシ直彦・我が心のカンツォーネ」と題して26回目のリサイタルを今年も9月9日(日)午後2時よりサントリーホール
ブルーローズで開きます。柴田杏里さんの美しい音色のギターで、いつかカンツォーネ・ナポリターナを歌いたい、という永年の夢が叶います。柴田さんの素晴らしいソロも期待して下さい。又リスト音楽院で研鑚を積まれたピアニストの武藤さんとナポリのマンドリンの名手晝間さんとのアンサンブルやソロも大変聞きごたえがあると思います。今回26回目で初めてのことが他にもあります。歌い手は私一人で、本当の私のリサイタルです。
濃密で緊張感のある純化された音の空間に挑戦してみたいのです。
一昨年最後のサントリーと申し上げましたが、今回こそ「白鳥の歌」になるかもしれませんが、長年世界的テノール工藤健詞先生の薫陶を受けた、声量、音域の向上も、今一度是非皆様に聴いていただきたいのです。これらの曲を持って、11月25日(日)のYouTubeにも乗ると思いますが、第10回目のナポリ公演に行って来ます。
残席あり、メールやTELでお申込みいただければチケット郵送します。

★第15回くどう式発声講座のお知らせ
9/17(祭)18:30~の日暮里サニーホールの中盤にカンツォーネを
数曲を歌います。拍手をいただける方は御招待しますので、御連絡
いただければチケット郵送します。

★ありどおろガラコンサートのお知らせ
9/29(土)17:30~の日暮里サニーホールのオペラ「ジャンニスキッキ」
後オーケストラでカンツォーネを歌います。ブラボーを言って下さる方
は御招待、拍手をいただける方は2,000円、その他の方は4,000円
です。御連絡をいただければチケット郵送します。

家元東柳  連絡先掲載サイトhttp://www.higaship.com
㈱東綜合設計事務所   東 直彦

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東 直彦
㈱東綜合設計事務所
東京都中野区中野3-2-1 リバース中野601
TEL:03-3384-9301 FAX:03-3384-9380
E-mail:higaships@siren.ocn.ne.jp
URL :http://www.higaship.com
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◇よろず評論(47)  <野球・ラグビー・ゴルフ > 【鈴木迪雄】   
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米大リーグ・マリナーズのイチロー選手は、過日会長付特別補佐に就任した。今後は選手としてプレーせず、チームに同行し同僚や首脳陣をサポートするという。大リーグ現役最年長選手だったイチローは「チームの助けになるのであれば喜んで受けたい」と語った。
100%やめてしまうわけではないし、また打席に立てるチャンスを残してということで、本人は戦力として必要とされているかと自問しながらも決断したという。そして、「僕は野球の研究者でいたい。自分がいま44歳でアスリートとして、この先どうなっていくか見たい」と話していた。
野球で忘れられないのは、東京六大学の早慶戦。中野稲門会の篠本さんのご尽力で春・秋シーズン観戦できて、青春時代の元気を取り戻す。
プロ野球は巨人フアン。中学時代、父が後楽園の外野優待パスをもっていたこともあって後楽園に通い、巨人フアンとなり、今は中野稲門会のメンバー、東京ドームの小針さんのご好意でジャイアンツ戦を観戦したあと、ドーム内の居酒屋での一杯が楽しい。

また、母校の國學院久我山高校がラグピ―の強豪校だったので、大阪の花園ラグビー場で開催される全国高校ラグビー選手権はテレビ観戦をする。勿論秩父宮ラグビー場での伝統の早明戦も見逃さない。突進を阻止しようと必死にとびついてくる相手をかわして、敵陣に躍り込む爽快さ。日本ラグビーの中枢を荷う一戦は篠本さんのスポーツ観戦同好会の連中と観戦する。

そして次はゴルフ。メンバーコースで平成9年3月、西コース16番(128ヤード)でホールインワン。同年8月東コース4番(124ヤード)で再びホールインワン。ホールインワンの場合、常識的にどの程度出費を覚悟するべきか迷ったところ、メンバーからゴルフ場のフロントと相談したらよいとアドバイス。返事はフロントとキャデーにチップ。同伴者に一杯おごる。前の組の人達に食堂で差し入れする程度でよいとの返事。
あとは後日、気の張らない記念品を同伴者と前の組と親しいゴルフ仲間に配る程度でよいとのことで、ホットした思い出がある。
趣味のゴルフも加齢と共に飛距離が出なくなって回数もめっきり減ってしまった。医者からは「一日8000歩程度は歩きなさい」と言われる。
出来るだけ外出を心掛けているが、疲れたら頑張らない。家に戻って一時間程度昼寝をする。疲れを感じたら早めに休憩をとって疲労回復につとめるほうが効率的だ。

この他では「経済人の集い・早稲田二十日会」「早大オープンカレッジ中野校」「亜細亜大学公開講座」「慶応大の夕学五十講」に通いボケ防止に努める。疲れることはやめるという判断基準だけで後期高齢は元気で生きることができる  以上


  
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◇田舎暮らし(184) <太陽光発電施設の出現>    【中野信吾】    
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 長い間、佐久と東京間の往復を繰り返してきたが、ここ4~5年ぐらい前から峠の景観が少し変わってきた。車を運転してのことだから、最初はその変化に気付くのが多少遅かったのかもしれない。というのも街中ならば大方の家の屋根には自家発電のソーラーパネルが設置されているのは知っていた。長野県の東部に位置する当地は、雨が少なく晴天が多い地域としても知られている。
それが、峠のなだらかな日当たりの良い山中の個所に雑木林を切り開き整地されて、ソーラーパネルの列が整然と並んで出現している。圧巻だ。また、交通量の多い国道沿いで飲食店を営んでいた家も、自分の家屋や敷地、駐車場も含めて営業をやめ、総て太陽光発電設備に置き換えてしまった。さらに驚くのは、経営不振のゴルフ場が太陽光発電関係業者に変身してしまった。なだらかな広いグリーンの上にソーラーパネルが整然と並んでいる様はすごい。お客さんが来なくても良い。ここの駐車場もパネルのオンパレードだ。そして山あいの窪地に各所で発電した電気を一括管理する棟が置かれている。最初、ここを通った時は一体何をする場所かも分からなかった。ゴルフ場経営よりも太陽光発電事業のほうが利益はあるからだろう。

土地の利用にクリーンエネルギーブームが起きている。安全で適正な工事か、設置は、周辺住民への説明など周知されているのか。事業者や建設に携わった人達が設置等に関するガイドラインに沿っているかなど注視していかなければならない。とかくブームに便乗した業者が多いのも確かだ。

市はこれに関して「協定書」を結ぶ際のガイドラインとして手引き書を出している。特に強調されるのは 「適切な工事・管理、事故が発生した際の補償、業者が倒産や事業撤廃した際の補償や撤去、周辺住民の生活に影響がないように」といったトラブル・事故が起きないように強調している。太陽光発電設備の設置に関して協定書を結ぶ際には一人ではなく協力者と一緒に作成することも望ましいともいっている。

市が手引き書を出す背景には、少子高齢化で後継者が不足し、耕作放棄が一因となっている。特にこの地域は顕著だという。また、佐久は日照時間が長いことで業者による活発な勧誘活動に結びついている。こうした要因がトラブル発生を防ぐ手立てとして作成されたものだろう。冒頭に掲げた屋根のソーラーパネル、我が家は未だに設置してない。ブームが続く最中、設置すれば多少は電気代も助かるかもしれない。おんぼろ家屋に設備費の費用とバランスを考えてみたが決着は未だに着いてない。山やゴルフ場の話は大口の話。ブームが過ぎて風雨にさらされた残骸が残るのは必然のようにみえるのだが。


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◇コラム知技研(66)   <本棚の一冊から(27)>  【遠藤恭一】
=『答えのない世界を生きる』小坂井敏晶著 = 
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 書名に惹かれて手に取った。パリ第八大学心理学部准教授の自伝である。1954年生まれの現在64歳。不思議な経歴の方である。第一章は知識とは何かから始まり、著者がフランスで学んだ最も大切なことは「人間の世界に答えはない」ということ。又フランスの諺には「変われば変わるほど、元のまま」というのがあるという。第二章は自分の頭で考えるために、第三章は「文科系学問は役に立つのか」と進み、第四章からは自己の歩んできた道を語る。我が早稲田の出身でホッケーをやり、大学時代に一人でヨーロッパ旅行して、行きは旧ソビエト経由、帰りは南回りで帰国。帰国後はその先の目標を失っていたが、取り敢えずフランス語を学ぶことにした。アテネフランセに通い懸命に学ぶ。約10ヶ月後にアルジェリアでの高額な給料が保証されている日仏技術通訳の募集を見つけ応募。10ヶ月ではとても通訳としてやっていける状況までは至っていないと会社側も判っていながら担当した講師が学ぶ姿勢がよいと推薦、また他に人もおらず採用されてアルジェリアの工事現場へ。大変な苦労をして何とか通訳をこなして契約期間終了後フランスに留まり、相変わらず技術通訳を務め、普通の人が入らない各種現場を体感して後の大学での研究生活に役立つこととなった。

然し、段々と人の意思を伝えることより自分の考えを述べることに興味の方向が変わり再び大学入学を選択。(なお早稲田は中退している)アルジェリアの大学で第三世界から見た欧州社会を勉強したいと考えたが同国が国費留学生しか受け入れないとして断念。結局生活し易いく、授業料も安いフランスの大学に入ることとなる。然し、なかなか単位が取れない。テストは全て短時間にこなさなければならない論文形式であり、この困難さを抜け出す道をやがて見つける。それが社会科学高等研究院であった。1つのテーマに絞り込んで合格出来れば博士課程にまで進めるという。

この研究院で好きなやり方で10年間在籍、此間に「異文化受容」に関する本を出版してフランスで注目を浴びる。結局専門分野を「社会心理学」と位置付けて1994年に博士号を取得。結局大学で引続き教鞭をとることになる。著者が原点として求める生き方はどこにでも生きられる国際人ではなく、どこに居ても周囲に違和感を覚える異邦人、グローバル人材の真逆に位置する社会不適応者、非常識人であるという。そこに関心を集中して活動することとなる。 著者が考えたことは「社会が閉ざされるからこそ文化が開く」即ち、西欧の植民地に日本が陥らなかったから我が国が西洋化出来た。「欧米の植民地支配を受けなかったからこそ顕著な西洋化が起きた」「変化しないからこそ変化出来る」それに通ずる「疎外や支配なくしては、人間の自由がそもそも成立しない」と考える。
正に逆転の発想である。著者はパリでの生活においても徐々に大学人との付き合いを減らして、学内の必要な政治活動からも離れ孤高の考える学者として独自の立場に立つ。万年准教授であることに満足して自己の思考を深めている。面白い人物である。
        つづく
 
 
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中野稲門会続メールマガジン211号(2018/07 )
掲載 2018.07.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
続メルマガ211 号 (2018/7/20)  

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◇コラム知技研(65)   <本棚の一冊から(26)>  【遠藤恭一】
=『そろそろ左派は(経済)を語ろう』= 
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 この著作は3名の対談をまとめたもので読み易い。ブレイディみかこ、松尾匡、北田暁大。ブレイディみかこ氏は英国在で同国に関する著作が多数ある。松尾匡氏はマルクス経済学の立命館大学教授、北田暁大氏は社会学者で東大教授。この3人が日本の現状でのリベラル・左翼勢力の躓きの原因が何処にあるかを率直に語ったものである。主張するポイントは経済、それは我が国経済の中での下部構造について現状を具体的によく見ていないという点に集約されるという。即ち、欧州では若者の失業、移民問題、医療問題等の略すべての問題の原因が緊縮政策にあると左翼は考えている。経済の成長がないことから底辺にいる人々の所得拡大が期待できないことかが問題の本質であるとしている。翻って我が国では安倍政権が寡ってリベラル・左派の主張であった経済的に恵まれない人々の苦しい状況を確りと認識して「アベノミクス政策」を打ち立て旧民主党時代の緊縮政策と逆に財政支出を大幅に増やし失業対策や児童支援政策等を具体化して来た。結局それが支持されて現在までは安倍長期政権が継続していると見る。それに比較して現在の野党各派は我が国の下部構造である底辺の人々にそれ程注目せず、この下部構造を忘却して来たことが不振の原因であると看破している。

 旧民主党の「コンクリートから人へ」というのは箱モノから人への投資といった意味ですが、それであれば社会保障費を削減するのではなく景気対策として社会保障分野への投資、具体的には低すぎる保育士、介護関係者への給与の増額当の政策を主張すべきであった。
然し、彼らは今もこのキャッチフレーズを経済政策に上手く落とし込めていないと指摘されている。例えば欧州の反緊縮派の人たちは「ナチスみたいな政党が出て来て反緊縮的な雇用創出政策をおこなうと大変なことになる。再びそうしたことを起こしてはいけないから左派は現在の経済問題により強くコミットしていくべきだ」との主張である。

 EU の経済政策がドイツに指導され、財政均衡を最も大切な指標に一つとしているが、ドイツ以外の欧州各国が緊縮財政によって大きく経済が毀損され、若者の失業に直結している。最近では一昔前の「社会主義」を思い出させる政策を口にする人々が欧州の反緊縮運動の中から現れて来て、若い人々に新鮮に受け止められ大きな支持を集めている。昨年の英国総選挙で大きく後退した英国保守党のメイ首相の議席減少理由もこの変化にあると指摘されている。実際緊縮財政下の英国では借金が減るどころか増えているという現実があるという。英国の下部構造への配慮が行き届かない点で、国民のメイ首相へNOというメセージとなった。左派の人々が「経済的な下部構造」を軽視したことにより庶民を「リベラルな価値から遠ざけてしまった」ということが世界中で起きていることなのであるとも指摘されている。彼らは仕方なく極右あるいはポピュリズム政党への支持に流れているわけだ。

 日本の若者は保守とは野党側であり(立憲民主党・国民民主党・共産党)革新派は自民党、公明党あるいは日本維新の会であると考えているものが少なくないという。時代がどんどん変わるにもかかわらず対案も提示せず全てについて反対する野党は保守であると考えているからである。緊縮財政が財政均衡へのステップであることは間違いないが、子孫に「負の遺産」を残さないことを重要視して、肝心な子孫そのものも減少させてしまう様な政策は問題だとする考えにも一理あると強く感じた。
                             つづく
【続きを読む】
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◇宇宙川柳 ・手前の太道(129)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。

 馬糞もか 鵯越えの逆落とし
 信無くば立たず 芯無くも立たず
 マジーって言ってた多分日本人
 いつの間にファシズム足音追い越され
 缶蹴りの缶がつぶれて陽が暮れて

 人の世は守る男と翔ぶ女
 森を見て木を見ず幹に触れもせず
 若者世に矛盾 老は世に無情
 脳CT計らないでねIQは
 可哀そう侍ブルーと我が人生

★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
 チビカポネ切るとトカゲの頭切り
 敬天愛人 天を敬い愛人囲う
 いい球を待ち過ぎ死球か敬遠か
 四十人友と中国三千年 何故かみんなの年を合算
 やや重し前倒し人生の頭蓋骨 頸椎鳴し今日も一日

★今月の投句コーナー (藤原恵一様より)
 春うらら大佐渡小佐渡わたる朱鷺
 田植機のエンジン音や朱鷺の舞

★ありどおろコンサート及びくどう式発声講座の御礼
 6/29(金)及び6/30(土)と日暮里サニーホールで連日で5曲歌わ
 せていただきました。声は鳴ってくれたのですが、何故か少々落ち
 着きがないステージになってしまいました。
 聴いて下さった皆様には心から御礼申し上げます。

★~9月9日世界的ギタリスト柴田杏里さんを迎えて~
 その後11月に第10回目のナポリ公演へ「テノール・ヒガシ直彦・我が心のカンツォーネ」と題して26回目のリサイタルを今年も9月9日(日)午後2時よりサントリーホールブルーローズで開きます。柴田杏里さんの美しい音色のギターで、いつかカンツォーネ・ナポリターナを歌いたい、という永年の夢が叶います。柴田さんの素晴らしいソロも期待して下さい。又リスト音楽院で研鑚を積まれたピアニストの武藤さんとナポリのマンドリンの名手晝間さんとのアンサンブルやソロも大変聞きごたえがあると思います。今回26回目で初めてのことが他にもあります。歌い手は私一人で、本当の私のリサイタルです。

 純化された濃密で緊張感のある音の空間にトライしてみたいのです。一昨年最後のサントリーと申し上げましたが、今回こそ「白鳥の歌」になるかもしれませんが、長年世界的テノール工藤健詞先生の薫陶を受けた、声量、音域の向上も、今一度是非皆様に聴いていただきたいのです。YouTubeにも乗ると思いますが、これらの曲を持って、11月25日の第10回目のナポリ公演に行って来ます。
メールやTELでお申込みいただければチケットを郵送します。

カンツォーネ
家元東柳  連絡先掲載サイトhttp://www.higaship.com
㈱東綜合設計事務所   東 直彦

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東 直彦
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◇よろず評論(46) <カサ・デ・ロサ > 【鈴木迪雄】   
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 日本生産者GAP協会の田上隆一理事長とお会いしたのは確か2000年に鳥取県の堺港水産事務所だった。2006年1月、中国北京にご一緒して、中国政府の要人と北京オリンピックに向けて、安全な食糧調達についてどうするか話あった。北京オリンピックの選手・関係者に提供する安全な食品の担保を目標にして、中国国内の農業の振興と農村の発展にどうつなげていくかを、人民大会堂での「中国農業経済国際会議」にオブザーバーとして出席し、北京食品協会の李士靖会長と中国の事情を勘案しての実施案を練った。

 田上さんは農業で、私は水産業での対応で頑張った。それがご縁でたびたび筑西市西保末の田上さんのご自宅に伺う。ご自宅に隣接した農業レストラン「カサ・デ・ロサ」でシェフの次男純平さんのスペイン料理パエリアをご馳走になる。
レストランのそばの畑で野菜を育てて料理に使い、庭では店名の由来となったバラが咲き、母親の和枝さんが丹精こめて育てている。農家レストランの「カサ・デ・ロサ」はスペイン語で「バラの家」。広がる田園風景を眺めながらレストランでのコンサートは最高だ。

 純平さんはスペイン料理を食べ歩いて調べ、食材のつくり方を研究された。パエリアの材料は、米・ムール貝・エビ・鶏肉・野菜類・サフラン・自家製のトマトソース・ニンニクなど。米は田上家の田圃でとれた「コシヒカリ」を使う。このほかインゲン・ブロッコリーやトマトなど畑でとれた季節の野菜。スープは地元産のシイタケとムール貝を入れて“ダシ”をとる。平たいパエリア鍋を使って、エビや鶏肉・野菜などを炒めながら米を入れて炒める。スープを入れて汁気がなくなったら、火加減に注意しながら約15分炊いて約10分蒸らす。米が“だし”をしっかり吸い込み、40分かけて「カサ・デ・ロサ」(バラの家)のパエリアを生み出す。

 田上理事長はイギリスやスペインなどGAPや農場認証を学んで、GAP普及につとめられ、築地市場の東京シティ青果の国際的な食品安全マネージメントの認知規格取得に尽力された。当方の水産衛生管理システム協会も、岩手県大船渡市の魚市場を衛生管理徹底の閉鎖式とし、スラリー氷による鮮度管理の徹底化で、世界に通用する魚市場を完成させた。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは厳しい世界基準に対応しなければならない。これからの日本の農業・水産業は、環境面・経済面・社会面での持続性を目指す。直接人の口に入って命の源となる食材の生産に携わる者として、深く肝に命じたい。(了)
  
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◇田舎暮らし(183 ) <梅雨明け十日>    【中野信吾】    
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 6月は梅雨の晴れ間と仕事の合間をみて、3回ほど帰省した。5月の前半の天候不順が作物の生育に影響を与えたように思える。今年は梅雨入りが早く、梅雨明けも異常なくらい早いように思えた。「思えた」というのも毎年梅雨末期には日本のどこかで集中豪雨があって、それで梅雨が明けるというパターンが多かったように思っていたからだ。しかし今年は違う。定石通り西日本豪雨のあった地方は“明けた”と気象庁の宣言はあったが、東日本にはまだその宣言が出ていない。しかも連日真夏日の気温が続いている。梅雨明け一週間前後が天候は最も安定しているので、かつてはこれを利用して登山などをした。学校が夏休みに入る7月20日頃からだった。

 田舎で種蒔きをして夏野菜を育てる手間をできるだけ省こうという算段で、東京のベランダで俄か苗床を仕立ててカボチャの種を育ててみた。定石通り今までと変わらぬ苗が育った。ポットの中で根が十分育成したところで、田舎への移植を試みた。今まで通り畑に元肥を施して苗を植えた手順までは従来と変わらぬものだった。別に畑に苗床を作って、こちらは直に種蒔きをして対比を試みた。これも遅霜対策だったのだが、十日程経って畑を見回ってみると、苗はしおれ、蒔いた種は発芽せず地中で腐食していた。何かどこかで異変が起きているようだ。同様なことはインゲン豆の種を蒔いたときにも、大部分が発芽しなかった。それで追い蒔きになった。

 畑の異変は天候不順も追い打ちをかけているようにも思える。不在が原因で作物への管理が十分でなかったのか。あるいは畑のpHがくずれて、酸性土壌になってしまったのか。畑に堆肥や藁をもっと入れ、土壌改良に努めなければならないのは十分承知しているのだが、これはわが体力と反比例で昔の時のようにはうまくいかない。うまくいかないもう一例。去年、庭の隅の竹藪の根はそんなに大きく根を蔓延さなかった。その安心感が今年は裏目に出た。竹藪から離れた所に大きくなった筍が見つかった。それも3か所だ。庭木の藪の中、5mも地中を這ってひょっこり筍が姿を現している。これを駆除するのは相当の体力を消耗する。筍の根と木の根が絡み合っている藪中、掘り出す唐鍬がうまく使えない。悪戦苦闘で相当の時間を要した。

 こう書き連ねてみると我が家も相当のあばら家になってしまった。4年ぐらい前に植木の手入れをしてから放置してしまい、早く手入れをしなければと毎年思いつつ今日に至っている。地方の人口減少は職人不足を招いている。家の管理の仕方にもう少し一考せねばならない。あれもこれもが体力を保持できればよいのだが……


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中野稲門会続メールマガジン210号(2018/06 )
掲載 2018.06.19 * メールマガジン * CM:0 * TB:0 * home↑
続メルマガ210 号 (2018/6/20)  

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◇田舎暮らし(182 ) <梅雨の晴れ間の農作業>    【中野信吾】    
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 5月の上旬に蒔いたモロッコの種(インゲン)は発芽時期の天候不順で、たったの3株しか芽が出なかった。発芽の無い箇所は追加の種蒔きとなった。味噌汁の具になり、煮豆にもなる重宝な食材である。あまり手間のかからない野菜だと思う。過去にもこうした現象は何回かあったが、今年ほどひどくなかった。それに周囲に野菜を栽培している畑が少なくなって、鳥獣の餌が不足していることも一因かもしれない。鳩が豆の発芽時期を狙って飛来し、地上に出た芽をついばむことも被害を拡大している。田舎に常駐していれば多少は食い止めることもできるだろう。あるいは天候不順だったのかもしれないが。
 
ジャガイモは全部発芽し元気に育っている。これも花芽が付きだしてきたので、追肥を施して土寄せをした。もう親指の爪ぐらいの大きさの根球が付いている。遅霜を警戒しながら4月の下旬に蒔いたものだ。7月になれば新ジャガとして食卓に登場する。まだまだもう一回は土寄せが必要だ。それにこの植物の葉を好む害虫テントウムシダマシの駆除にも腐心しなければならない。やや気になることは、知人と交わした会話の中で、若干ジャガイモの樹勢がすっきりしていることで肥料切れではないかという指摘があった。今の時ならもっとこんもりと枝葉を広げて根元の株が見えないくらい旺盛でないと……、収穫時に大きなものが採れない。そういわれてみればその通りだ。当方の手抜きを見透かされてしまった感がある。今度帰省した折に株間に追肥をしておこう。まだ収穫までには一月もあるので間に合うだろう。

 田舎で自家製のポットから苗を育て栽培した経験があるので、ものは試しと東京で苗床の土を買ってカボチャの育苗を試みた。ベランダ栽培で育苗までは従来の手順通りに育った。それを持って田舎の畑の空いている箇所に移植してみた。何時も通りなら根付いて育つはずなのに、十分に育ってない。同時に直播で二株ばかり種を蒔いてみたが、こちらも発芽しなかった。何故だろう。天候不順で雨が降らなかったからなのか、気温が低くて遅霜に遭ったのだろうか分からない。発芽しなかった箇所を掘り返して調べてみたが、地中で腐食していた。何が原因だったのか思いつかない。また来年に期待しよう。

 梅雨に入って雑草の伸びは旺盛だ。屋敷の周りを草刈り機できれいにした。この時期に手古摺るのは庭の隅に植えられた竹藪だ。竹の地下茎が伸びて思わぬところで筍として芽を出している。竹の根ほど地中に根を張って掘り起こすのに苦労するものはない。毎年の行事みたいなものだが苦労する。そろそろ力仕事は限界にきているようだ。ぼちぼちと気長に片付けることにしよう。



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◇コラム知技研(64)   <本棚の一冊から(25)>  【遠藤恭一】
=『潜伏キリシタンは何を信じていたのか』宮崎賢太郎著= 
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 「キリスト教ではなく、先祖伝来の信仰を守り通した日本民衆の強靭でしなやかな宗教観をひもとく」といった本の帯に惹かれて手に取った。著者は長崎生まれで長崎純心大学の教授を既に退官した人で、キリシタンの時代から現代に至る、日本人のキリスト教の受容と変容の在り方を追求して来た学者である。
「隠れキリシタンは仏教を隠れ蓑として230年間にわたってキリシタンを唯一真の自分たちの宗教として信仰を守り通して来たと一般的に理解されている。著者はその点に疑問を持って長年隠れキリシタンを研究して来た。1644年のキリシタン禁止から1873年(明治6年)のキリスト教容認までの230年の長きに亘って、その間どう隠れキリシタンはすごして来たのか。キリスト教がどのような宗教であるかを説いてくれる一人の宣教師も指導者もいない中で、仏教や神道は偽りの宗教でありキリスト教以外に救いはないとはっきり理解しまた認識していたのだろうか。これに対する答を隠れキリシタンの発生経緯から解き明かされている。

 彼ら、隠れキリシタンは封建制度の中で当時の領主によって強制的にキリシタンに改宗させられた人々が原点だという。当時の九州では多数の領主がキリスト教に改宗しており、その封建社会の上層部はそれなりに宣教師達からキリスト教の神髄に触れる機会があったと思われるが、一般民衆は単に強制的に改宗させられ、キリスト教が何たるかをほとんど知らなかったという。ヨーロッパから来た宣教師たちの記録は当時我が国では20万ー30万の人がキリスト教に改宗したとしているが、その内容までは触れていない。おそらくは自分たちの今まで信じて来た宗教に新たにキリスト教を加えるといった程度のものではなかったか?230年に亘って隠れキリシタンが本当に大切にして来たのは実は先祖代々受け継いできた伝来の信仰という形であったと著者は言う。領主たちがキリスト教に改宗した理由もかなり俗物的な理由であった。南蛮貿易に莫大な利益が見込まれたからである。日本に3度も来日したイエズス会ヴァリニャーノ巡察師はそのローマ向け報告書で「日本人は領主たちの命令によって改宗を行った。領主たちはポルトガル船から期待される収益の為に、領民に改宗を命じたのである」としている。

 キリスト教禁止令後の一般庶民が守って来たのは長い潜伏時代を通して命がけで何かを守り通そうとしてきたことは間違いない。然し、その何かとはキリストやマリアに対する信仰ではなかった。著者は「一般庶民が守って来たのは上記の経緯から自分たちの祖先が大切に伝えて来たキリシタンと呼ばれる日本の伝統的な神仏信仰の上にキリシタンと言う更にありがたい神が付加えられた「異宗」であった」と定義している。いわば典型的な日本の民族宗教の一つとなっていたのである。明治維新の始まる直前の1865年3月長崎の大浦天主堂内で浦賀の12から15名の隠れキリシタンの一団がフランスの神父プチジャンに会ってキリスト教徒であることを告げる。この場面は世界中に報告され今日の長崎にキリスト教会の世界遺産指定への動きと重なる。これは我が国における第二のキリスト教復活の原点でもある。大いにキリスト教を宣伝する効果も配慮して素晴らしく誇張された彼らの告白が「隠れキリシタンを有名にした」と著者は述べている。然し、私は寡って訪れた天草の教会群や隠れキリシタンの墓、博物館に所蔵された「経消しの壺」等を見るに付け単に彼らを「異宗」と片付けられぬ何かがあったのではとの感情が拭えない。
                           つづく  

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◇宇宙川柳 ・手前の太道(128)        【家元東柳】    
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。

 AIが合体ロボしてロボ子っ子
 一人じゃないから頑張れるの歌ばかり
 俺の屁か他人の屁なのかやや不明
 よその孫貝見せに来る潮干狩り
 醜男は鏡よ鏡やはりボク?

 居るのなら直にどうにかしたら神
 話し合い始まる前に女勝ち
 はすの咲く国のうつろに安倍麻生
 車中にて力士がスマホちっちゃいな 
 世の犬は人に預けた俺の犬 
      
★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
 インスタ蝿お天道様に焼き焦げろ
 糞真面目検便実直唐変木
 I R法IらんReゾートやめときな
 次世代型美人とは今珍奇
 老妻に二度拭きなさいとしかられる

★今月のリメールコーナー (遠藤智様より)
 「セクハラ罪無いと突っ張るチビカポネ」(家元5月号)
無学で鳴らした男ですが、このごろは謙虚さもなくなりました。威圧感ゼロで、Al Capone が聞いたら怒るでしょう。 Gangsterにもみえません。せいぜいそれに扮した喜劇役者ですね。

★川柳名句コーナーその13 <18年6月号>
 「道頓堀の雨に別れて以来なり」岸本水府(1892~1965)
「番傘」を育て人間風詠の川柳作家として一家を為した。この秀句は川柳しか持てないドラマ性を有し、読む者のイメージを喚起する。他に「電柱は都につづくなつかしさ」「ぬぎすててうちが一番よいという」等がある。

★ありどおろコンサートのお知らせ
6/29(金)18:00~の日暮里サニーホールのオペラ「道化師」後カンツォーネを3曲歌います。ブラボーを言って下さる方は御招待、拍手をいただける方は1,000円、その他の方は3,000円です。御連絡をいただければチケットを郵送します。

★くどう式発声講座のお知らせ
6/30(土)18:30~の日暮里サニーホールの中盤にオペラのアリアとロッシーニの歌曲を歌います。拍手をいただける方は御招待しますので、御連絡いただければチケットを郵送します。



家元東柳  連絡先掲載サイトhttp://www.higaship.com
㈱東綜合設計事務所   東 直彦

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東 直彦
㈱東綜合設計事務所
東京都中野区中野3-2-1 リバース中野601
TEL:03-3384-9301 FAX:03-3384-9380
E-mail:higaships@siren.ocn.ne.jp
URL :http://www.higaship.com
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◇よろず評論(45) <寿限無亭とケセンきらめき大学 > 【鈴木迪雄】   
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 岩手県大船渡市立大船渡中学校第11回の卒業生たちが57才のときの同窓会で、還暦記念に「たまり場をつくろうや」の冗談が本物なって、大船渡町丸森の山腹に山小屋を自力で建設をした。同級生9人と女性4人の仲間が手作りの山小屋を創ることを決め、場所は大船渡町下船渡の大和田寿弘さんが所有する山林。同級生のために大船渡湾を見渡す市内最高の「眺望空間」を無償提供された。同窓会で小学生時代につくった手製の遊び小屋の昔話に及び、「また集まれる場所があればなあ」の発言に、大和田さんが「オレの山使えや」と気軽に申し出たことがはじまり。建設に必要な丸太1000本以上揃えるのに3年を要し、毎週日曜日の作業は朝から晩まで、定年退職したメンバーは平日出勤して段取りをした。曲がった丸太を一本一本組み合わせ、切削する作業は想像以上に根気と気力の時間を要した。

 メンバーの棟梁格は佐藤勝哉さん、木挽き棟梁は北条正人さん。本職も敬遠しそうな急な斜面を上下しながら素人集団男性が伐採搬出をし、女性たちは交代で昼食づくりの後方支援。仲間の決断で慣れぬ作業に戸惑いながらも取り組み「時間」「空間」「仲間」の三つの間が揃い踏み出した傑作品が出来上がった。大船渡の青少年とともに活動する拠点ともなるのだかと「寿限無亭」と命名された。場所を提供された大和田寿弘さんの一次をとって「寿限無亭」とし、地域の新しい触れ合いの場としての「最高のたまり場」となる。

「寿限無」とは落語でおなじみの「寿限り無しと書いて寿限無、めでたさが未来永劫に続くということじゃ」。八っあんのところに男の子が生まれ、めでたい名前を和尚さんにつけてもらう。「寿限無・寿限無・五劫の擦り切れ…長久命の長助」までの長い名前を超スピードで語る。キレのいい味わいのある古典落語からもじって、この小屋の名前をつけた。社会の第一線を退いて第二の人生を歩んでいる中高年にとって、地域の中で自分の力を生かし、自分をよりよく創り変え積極的に生きようとする人達の「たまり場」である。

 平成20年1月、「ローカルなものこそグローバルになり得る」との発想のもと観光立地を目指した地元学や食・特産品を開発する一般社団法人「ケセンきらめき大学」(学長:山口康文)が発足した。在籍者がそれぞれの知恵を出し合いながら気仙地域の未来に役立つ提言・提案を行うとともに実現にむけて行動する。寿限無亭はケセンきらめき大学の外国人講師の特別講義室でもある。米国・国務省・国防総省の対日政策担当者だったロナルド・A・モース教授。ノルウェー王国のハンス・ベター氏らが講師をつとめた。寿限無亭とケセンきらめき大学は国際的な視野を広くもつ若者を育てる場として飛躍を目指している。 
 (了)

  
 
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