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◇海外旅行の変わった話(78)<エジプト-5>【市川孝二】
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ナイル川下りの旅は3日間でゆっくりでした。途中コム・オンボ神殿やエドフのホルス神殿などを見学し充実した観光でした。船のガラベイヤー・パーテーも体験しました。エジプト人であるガイドおばさんから、ナイル・クルーズの船で土地の民族衣装(ガラベーヤ)を着る、仮装パーテーのことを聞いていました。アスワンの下町を社会見学し土地の床屋さん、「ヤギのしっぽ」がついたままの肉を売る肉屋さんなども見学しました。物価は安いのでその時に着る白色のガラベイヤーを買いました。ただし丈は長いために家内が船の中で調節しました。家内のピンク色のガラベーヤーは船の売店(貸衣装)から借りたものです。
売店の人が私の頭にターバンをしっかりと巻いてくれました。各国からの観光客はそれぞれ仮装します。静かにかつ、ゆっくりと進む船の遊びとしての仮装パーテーは盛り上がりました。私は白い衣装と頭にターバンを巻いたので、「日よけ用の黒メガネ」もかけました。立派な中東人に化けました。(写真をお見せしたい位ですが…)
ドイツからの観光客との写真も残っており、その夜の盛り上がりを思い出しています。仮装パーテーでは幾つかの競技もあります。その一つに大きめの「じゃがいも」を「ひも」で腰にぶら下げ中腰になり、ハンマーのようにて床においてある物を叩きゴールに押し出す競技があり、一等になりました。賞品はカクテルの一杯でした。
2008年1月はNHKの「エジプトの月」でした。元旦から3日間「アスワンからのクルーズ」その他を放映していました。あの映像の通りです。船を下りて王家の谷、ルクソール神殿、カルナック神殿、ハトシェプスト神殿などを見学し悠久の歴史を偲びました。
カイロでの「ピラミッドの音と光のショー」は英語の説明のために中容は十分に理解出来ませんでした。ルクソールの「カルナック神殿の音と光のショー」は日本語がありました。5つの場面に分かれています。あの有名な列柱室なども厳粛な雰囲気です。昼間に見た「至聖所」も夜にそこにライトが当りあたり「なるほど」と判りました。昼間の観光と暗くなる夜とは雰囲気はかなり違います。主催者に導かれて参加者は少しづつ歩きます。1時間余りの最後はスタンドに座り歴代の王の悠久の歴史などを解説します。その時、飛行機の爆音が聞こえて私たち参加者は笑ったことを思い出しました。終わって帰るときに、入口に多くのドイツ人が待っていました。私たちが終わると次は「ドイツ語のショー」になります。
※執筆者HP<サラリーマンのための年金コーナー>に「市川の旅の記録」を掲載中
http://homepage3.nifty.com/ichikawa/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇田舎暮らし(67)< カラスのいたずら >【中野信吾】
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「今年の天気は異常だ」という声をあちこちで聞く。ゲリラ的な災害を起こす都市型の降雨は田舎でも起きている。雨が降れば土砂降り、短時間で集中的に降る。これでもかこれでもかといわんばかりに降る。地形にもよるが、おかげで田畑は冠水し、作物に大きな被害を与える。水没した作物は水が引いてもとの状態に戻ったからといっても、成長の過程で歯車が狂い果実を正常に結ばないものが多い。一方、天気予報で「雨が降らないので、作物などの水管理は注意」を呼びかけている。地面などはからからに乾いて、大きな地割れができている。ことに夏場などは水気を失った作物が萎れたり、枯れてしまった姿を見かける。
作物を生長させるときは水が欲しい。だからといって土砂降りの雨は困りもの。適度のお湿り程度の雨ならば大歓迎。作物を生長させる雨は雑草にも同じだ。夏場の農作業できついのが草取りだ。炎天下で汗びっしょり。この暑さを避けるために、早朝の涼しいうちに済ませようとすると、ぶよなどの虫に刺される。害虫対策は炎天下での作業よりもまだましだ。畑の草取り、土手の草刈りなど日中の作業ほどきついものはない。でも、それだけ手をかけて育てるのだから収穫したときの喜びは大きい。自給自足を重ねてきたが、販売されている野菜からみると、コストを考えれば割高かもしれない。しかし、安心度については抜群だ。野菜など販売されている農作物は防虫害対策として多少なりとも農薬を使用している。それが自分で育てるのだから、いちばん信頼がおける。収穫した農作物が多少なりとも見栄えが悪くても安心して食することができる。
手塩にかけて育ててきた作物が、収穫寸前に鳥獣の被害にあったというニュースはよく聞く。彼ら(鳥獣)も収穫時期はよく知っている。でも昨今の被害状態から見ると、被害は甚大だ。鳥獣の被害は昔からあるにはあったのだが、今のほうが目に余るものが多い。一度彼らがその味を覚えると、次はもっと被害が拡大している。わが畑の農作物も同様に彼らのパンチを受け続けている。昨年は山際の畑にシカ・イノシシよけの網を張った。シカの畑への侵入はおおむね防げたが、イノシシは相変わらず手を焼いている。網を破られ、補修に今度はメッシュの金網を40メートル張った。これでやれやれと思いきや、ふたたび大きなひづめの跡。補修にちょっとした不備の箇所を見つけてそこから侵入している。ひづめの大きさから見て、相当の大きさのものだろう。
カラスも相当のいたずら者だ。天候不順で今年はトマトの実が熟れるのが遅かった。ようやく熟してきたから、いつものように完熟を目指してもう少しと待っていた。中一日置いてそろそろ収穫しようと畑に行ってみた。が、熟したトマトはなかった。無残にも下に落とされ食いちぎられた残骸があるだけだった。鳥の習性からして今朝のもののようだった。またまた初物はお預けとなった。早速網を張る対策を採った。今年の春に豆の芽をついばまれたとき用いた防鳥網を再度張った。しかし張った網が少し甘かったせいか、ちょっとした隙間から潜り込んで、またまた鳥に先取りされてしまった。今度は網をしっかり固定してしまったおかげで、収穫するときにいちいち網をはずさなければならない羽目になった。食するためには手間がかかり面倒だが致し方ない。トウモロコシも食べごろになってきた。旧お盆で仏前に供するために、食べごろの2本をもいできた。翌朝、畑を見回ったら、これも鳥がトウモロコシをもいで食べ残しが下に転がっていた。勿論、網を張ったのはいうまでもない。暑い炎天下での作業は不平をぶつける相手がいないだけに疲れが溜まるだけだった。
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◇辛口コラム(30) <新貧困層を生んだ「連合」の罪は重い=労働者権利そっちのけの労働貴族=>【増山榮太郎】(文中敬称略)
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◆アキハバラ事件は必然だった
アキハハラの無差別殺人事件の犯人を弁護するつもりはないが、彼が置かれた派遣労働者の絶望的環境には理解できる。いわゆるワーキングプアと言われる新貧困層がどれくらいいるのか分からないが、彼らが社会の底辺で不気味なマグマを蓄えていることは十分想像できる。最近、小林多喜二の「蟹工船」が若い層に読まれているのも、この新貧困層と無縁ではあるまい。
絶望した若者が取るべき道は、二つしかない。社会に反逆するか、自らの命を絶つか、のいずれかである。
従ってアキハバラ事件は必然の結果であり、第2、第3のアキハバラ事件が起きてもおかしくない。事実、既に類似事件が頻発していることはこのことを実証している。 自殺者が年間か3万3000人 ということも先進国としては異常である。これも、貧困と無縁ではない。
◆平等社会を破壊した小泉・竹中改革
日本はいつから貧困層を生み出したのか。かつて、日本は、自らを中流階級と思っていた人たちが9割を占めた世界に類い希な平等社会であった。なぜ、かくも貧富のの格差が拡大したのか?
端的言えば小泉・竹中の構造改革路線が引き起こした結果である。グローバリゼーションという名の下に強引に進めた政策は、グローバルではなく、米国の、しかも一地域過ぎないウオール街の思想・市場原理主義を丸ごと日本に移植した結果である。
その結果はどうか。 資本家に都合の悪い社会的規制は次々と撤廃され、富めるものは益々豊に、貧しいものは益々貧しく、貧富の格差は見る見るうちに拡大した 。適者生存、優勝劣敗のジャングルの論理が罷り通る世界だ。資本家にとって、これほど好都合な社会はない。
◆市場の荒野にさまよう若者たち
この結果、労働者はどうなったか。戦後、労働法規によって手厚く保護された労働者の権利は、労働市場の自由化の名の下に規制はは撤廃され、職を求める若者は、まさに市場原理主義の荒野にさまよう存在になった。派遣労働者の悲惨な実態は、その結果である 。フリーター、アルバイターといった非正規労働者も同じ悲惨な運命を辿ったことは周知の通りである。
ならば、正規社員は安泰か、といえば逆である。正規社員もいつリストラ、解雇に脅えて、賃上げもままならず、自らの労働者としての権利さえ主張できない状態に追い込まれた。マクドナルドを含め多くの企業が、店長という名のみの管理職で、時間外労働タダ取りが横行する始末だ。
ならば、資本家はどうか。まさにわが世の春だ。ここ数年の大企業の決算報告書を見れば歴然とする。空前絶後の利益を計上している。彼らは労働者の力が弱いことをいいことに利益をしこたま溜め込んで、労働者への分配しない。組合が強かった時代は、ストや争議で賃上げを獲ち取ったものだが、今や、その動きさえない。労組は完全に息の根を止められてしまった。
消費が冷えていると言われているが、当たり前だ。労働分配率が低下すれば、人はモノを買わない。消費は動かない。それは今や資本家のクビをも絞める逆作用を起こしている。
◆労働者の黄金時代を築いた総評
「昔軍部、今総評」という言葉が、戦後流行語になったことがある。総評とは「日本労働組合総評議会」を指すが、旧社会党系を中心とする左派色の強い組合ナショナルセンターであった。その功罪は様々だが、少なくとも労働者、あるいは労組の権利擁護には敏感であった。ある意味で総評は労働者の黄金時代を築いたと言える。春闘を中心とする賃上げ闘争では、総評代表は、使用者側(資本家)も一目置く存在だった。労使双方の緊張関係が、良い意味での日本の格差拡大に歯止めをかける役割を果たしてきた。
「国鉄民営化化すれば国労は潰れる 。国労が潰れれば、総評も潰れる」
国鉄民営化の旗振りをした中曽根首相(当時)はそう豪語したそうだが、その予言は見事に当たった。国労は、全逓、日教組と共に総評を支える大黒柱だった。だが、国鉄の民営化と分割化で国労組織はズタズタになり、見るも無惨な解体の運命をたどった。国労が駄目になり、全逓も今や民営化で無力の道を歩んでいる。日教組もかつての面影はない。
◆労働者の権利を守らない連合
中曽根の言うように「潰れた総評」の後釜として、総評に加え、民社党系の同盟、新産別、中立系の中立労連が寄り合い世帯として立ち上げたのが「連合」(日本労働組合総連合会」である。加盟単産78,組合員800万の大組織になった。「現在は、52単産、組合員675万人)。
だが、組織は巨大になったが、本来、労組ナショナルセンターが行うはずの労働者の権利擁護、賃上げ、未組織労働者の組織化などはサボリ放しだ。連合幹部は、小泉改革時代には政府にすり寄り、労働市場の流動化をめぐり資本家に手を貸す有様だ。
今日の派遣労働者の悲惨な状態も、連合が手を拱いていたからである。まさに連合の罪は大きい。連合幹部の年収は一流企業の社長にも匹敵すると言われる。もし、それが事実なら、組織の上にあぐらをかく「労働貴族」と何ら変わらない。(執筆者X・労働ジャーナリスト)
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◇辛口コラム(31) <政局秋の陣、決戦の火ぶた=主戦場・臨時国会は解散に直結か=>【増山榮太郎】(文中敬称略)
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いよいよ臨時国会が始まる。今秋の臨時国会が並みの臨時国会と異なるのは、ことと次第によっては解散・総選挙に直結しかねないからである。その意味では、与野党とも総力戦の様相が濃い。
◆解散シフトの福田改造内閣
今度の臨時国会を読み解くには福田改造内閣の布陣を見れば明らかだ。「愚図だ」「優柔不断だ」と言われ続けた福田康夫首相だが、いざフタを空ければ今回の改造人事は熟慮に熟慮を重ね、練りに練った人事だったことがわかる。17閣僚のうち留任は僅か4人、総入れ替えに近い。しかも、内閣・党には派閥領袖やベテランを配した。そして、何よりも改造人事の目玉として人気抜群の麻生太郎元幹事長を幹事長に再起用したことだ。麻生とはポスト安倍の総裁選を争ったライバル同士だが、三顧の礼で党の要に迎えたことは福田らしい遠謀深慮が窺われる。”政権禅譲密約説”が流れるゆえんだが、ここでは問うまい。
かつて現役記者時代に佐藤栄作首相や田中角栄首相の改造人事を追いかけた筆者の経験からすれば、ほぼ満点に近い。事実、麻生効果もあってか、改造直後のマスコミ各社の世論調査による内閣支持率は軒並み数ポイント好転している。福田首相はこの支持率好転を背景に解散含みの臨時国会を乗り切る構えである。まさに解散シフトの改造人事である。
◆地雷原行く修羅場の臨時国会
筆者は昔の改造人事を引き合いに「ほぼ満点に近い」と評価したが、それには留保条件がある。かつてのような「自民党全盛時代なら」ということである。
だが、時代は変わった。前通常国会での福田首相問責決議にも象徴されるように「衆参ねじれ現象」という厳然とした現実が前途に立ちはだかる。しかも、前国会からの延長戦ともいうべき消えた年金問題、新たに発生した膨大な入力ミス、後期高齢者医療制度問題、加えて今や日常生活を脅かし始めた物価高騰など野党が手ぐすねを引く攻撃材料は山ほどある。
政府与党は、臨時国会に先の岩手・宮城内陸地震の災害復旧予算に加え原油高騰対策のため補正予算を提出する方針だが、衆参予算委員会を中心に熾烈な論戦が展開されよう。本稿を草している段階ではインド洋における海上自衛隊の給油活動延長に関する新テロ対策特別措置法改正案の帰趨は判然としないが、仮に国会へ上程し「60日間」の憲法条項をタテに衆院再議決を強行すれば、民主党などの野党は再び「首相問責決議案」で抵抗し一切の審議拒否作戦に出ると息巻いている。そうなれば、ひょっとしてひょっと、と解散・総選挙に突っ込むかもしれない。「地雷原を行くような修羅場になる」(与党幹部)という声も、あながち誇張とは言いきれない。
◆公明党の微妙な思惑
今、解散、総選挙になったら自民党はどうなるか。マスコミ各社が秘かに弾いている選挙予測では、自民党はなんと100議席以上減らし200議席前後に落ち込む。公明党が議席を現状維持しても、自公合わせて過半数241議席に充たないというのだ。それを裏付けるように、お盆帰省して選挙区回りした自民議員が愕然としたのは「いっぺん民主党にやらせたら」という地元有権者の声だった。それも、野党支持者や無党派ではなく根っからの自民党後援会の幹部からこうした声が上がっているというのだ。小泉構造改革以来、自民党の伝統的地盤が総崩れしている現状が窺われる。
それかあらぬか、今回の一連の改造人事を通じて表出したのは公明党の微妙な動きである。その中ではっきりした点は、公明党は来年7月に予定される東京都議選に全力を傾注するために解散・総選挙の時期を出来るだけ前倒しにして、年末、遅くとも来年1月の通常国会冒頭を希望しているというのだ。このため臨時国会を早々に切り上げ審議の長びく給油関連法案の国会見送りも主張している。一説では、公明党が臨時国会の「短い会期」を望んでいるのは矢野ジュン也(編集者注意=ジュンの活字が見つかりません)元公明党委員長問題があると言われる。創価学会幹部を提訴した矢野を参考人として国会に招致しようとする動きが民主党など野党の一部にある。もし、この事態を容認すれば、さらに池田大作名誉会長の国会招致にも発展しかねない。このことこそ、学会はもとより公明党が絶対避けたいところであろう。公明党がここへ来て「早期解散もやむなし」との声を上げるのもそんな思惑かもしれない。
◆小沢代表の高笑いが聞こえる
ここで一番トクするのは小沢一郎率いる民主党であろう。
小沢代表は、かねてから年内解散、遅くとも来年1月の通常国会冒頭解散を予測し、党内に檄を飛ばしてきた。年金問題や後期高齢者医療制度問題をめぐる政府与党の失策のほとぼりの冷めないうちに解散・総選挙に持ち込むという小沢の選挙戦略である。だが、そう叫びつつも、小沢の思惑通り事態は運ぶとは限らなかった。むしろ、自民党内には古賀誠選挙対策委員長に代表されるように「解散の時期はできるだけ先へ。来年9月の衆院任期に限りなく近い方がよい」という声が圧倒的だった。それは「今、選挙すれば自民惨敗」という選挙恐怖症からだった。ところがここへ来て「早期解散やむなし」と風向きが変わったのは公明党が背中を押したからに違いない。前述のように福田改造内閣の布陣はまさにその表れである。
小沢にしてみれば、自公の動きは「してやったり」であろう。小沢の高笑いが聞こえる。その自信のせいか、最近の小沢は「解散は間違いなく年内、年を越すことはない」と言い切っている。(執筆者・増山榮太郎=政治ジャーナリスト)
※「増さんの政治教室」
http://www33.ocn.ne.jp/~massan/※「トラベル・ジャーナリスト結城靖彦が綴る
愛と旅の物語」
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◇今月のへぇー(67)< カムチャツカ、手つかずの自然の宝庫 >【いとう】
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カムチャツカ半島の南東部に位置する唯一の都市ペトロパブロフスクをベースに、周辺火山帯の高原フラワー・トレッキングと温泉、川下りのラフティングが楽しめた。朝晩は17℃ぐらい、日中は30度ちかくの気温になるが湿気がなく爽やかな風があるので暑さは感ぜず素敵な避暑の旅でした。
◇手つかずの大自然
この地域が外国人客に開かれた1990年からまだ間もないことと、シーズンが一年のうち2ヵ月間と短く本格的な観光客受け入れ施設の整備が難しいことなどにより、自然がそのまま残されている。ただし、原野と遠望される富士山クラスの標高の山系(五山)、7-8mにもなる積雪のためか高木がなく中低木(さらに針葉樹が全くない)だけなので、"秘境"というようなイメージではない。
基地と漁業が中心のペトロパブロフスクを離れると、建築物も農地牧場もほとんどなく、ただ荒野が広がる。移動ルートにレスト・ストップできるドライブイン等は全くなく男女とも青空トイレが当たり前となる。
◇夏だけのチャーター直航便
この直航便以外では新潟からウラジオストクで乗り継いで2日間かけてペトロパブロフスク着となるところ、なんと成田から3時間半のフライトで済むため大変便利である。エリゾヴォ空港は軍と共用となっていて、戦闘機が頻繁に離着陸訓練を行っている。国際定期便はないので、こじんまりとした出入国専用小屋が設けられていた。当チャーター利用客は、近ツリ・クラブツーリズム3グループ、阪急クリスタル、アルパイン、西遊旅行の其々1グループにロシア人ファミリー 1組の約130名ほどであった。往路はグループごとに座席が指定されたが、帰路ではグループも連れも関係なく座席が割り当てられたため結局は搭乗したら自由席でOK…とおおらかなもの。
◇六輪駆動車に乗らないとどこにも行けない
高原や川下り拠点に上るには、林道用の六輪駆動車(たぶん軍用だったトラック荷台に24人座席のキャビンを架装したバス)に乗って大揺れ片道2-3時間を覚悟する必要がある。巨大なタイヤと硬いサスのため舗装路でも激しい振動に耐えなければならないし、山道に入ると、とくにアバチャ山麓ベースキャンプに上るには、雪解け水が流れたあとの荒れた涸川の底を一時間もドッタンバッタンしなければならない。凄かったこと!! ツアーのグループ人数は、この車両定員によって決まるので最大で22名ということになる。
◇春夏の花が一斉に咲く
短い夏の間を競うように北海道、利尻礼文や日本の高山植物に見られるような花々が一斉に咲く。ヤナギラン、チシマフウロやハンゴンソウが平地・山地問わずどこにでも見られ、高原ではクルマユリ、カラフトアザミ、カスティレア(インディアン・ペイントブラシ、日本には分布なし)、チシマシマザクラ、タカネシオガマ等々が一面に見られる。花の種類が豊富なことと、ロシア人の花ガイドの説明を日本語ガイドが通訳するのを聞きながらデジカメも撮らなければならず、結局は花名のメモはギブアップ。
◇その他のエクスカーション
ビストラヤ川では、6人乗りゴムボートに乗り込み、滔々と流れる清流と大自然を満喫しながら十数キロを2時間かけてラフティングする。船上から釣り糸を垂らしていたら、釣り経験ゼロの私でも、30cmほどのニジマスがかかった。このあたりの魚さんはあまり警戒心もないようだ。多い人は3尾ほど釣上げ。
温泉探訪は、2日目に訪ねたパラトゥンカ温泉郷の真新しい温泉プールは、日本の各地にあるような健康温泉施設風だが、縁からすぐ2mぐらいの深さになって同行者で泳げない方が危うくおぼれかけた。地元男性がプールサイドでビールを飲みながら酔っ払って飛び込んでいたり安全管理面ではお寒い感じ。中にはほっそりとした若いビキニのお嬢さんもいたり目のほうの保養にはなる。3日目には、六合村の尻焼温泉のような川底から湧き出す温泉のマルキ温泉へ。川原近くではやけどしそうなお湯が流れていたりするが、川の流れの縁で温泉と川水をまぜてちょうどの温度にして寝転がって極楽!極楽!! 更衣室やロッカーなんてしゃれたものは一切なく、女性陣はバス内でカーテンを閉めお着替え、男性陣は河原の簡単な小屋で…と野趣あふれるものではあった。ここには大きなキャンプ場もあって、サマーヴァケーションに入ったファミリーが沢山くりだしていたのに、あるのは自然だけで勿論トイレもないm(__)m
エリゾヴォ近郊では、少数民族のイテルメンの民族舞踊(魚やカモメ、恋などがテーマ)を楽しむ。昔はアイヌとも隣り合った生活圏があったようで、しぐさや衣服がとても似通っていた。目鼻立ちの整った踊り子の娘さんが可愛らしかったこと!!
◇厳冬を生きる動物の種類は少なそう
高原の林間では大きな蚊にたかられる(同行者のほとんどは頭用の防虫ネットをばっちり用意)が、刺されて凄く痒いというほどのことはないようだ。動物の類は少なく、アバチャ山のベースキャンプ周辺で丸々と太った地リスを見たぐらい。人のそばまできて、カメラを向けるとカメラ目線でポーズをとったり愛嬌をふりまく。鳥類や蝶なども、もっといてもいいように思うが、とにかく動物は少ない。
現地のツアーオペレーター"カムチャツカインツール"の注意書きには《熊に遭遇した場合》など記されていて物騒ではあるが、奥地にいかない限り見かけないらしい。この地は、動物写真家の星野道夫さんがヒグマに襲われた(半島最南端のクリール湖畔、1996年)ところでもあることを思い出した。
◇質素な家庭料理風の食事
市内のアヴァチャ・ホテルの朝食は、イクラ&バターをのせたパンと、タマゴ料理、サラダ(滞在3日間とも)、晩の食事もピーマン肉づめ、イクラご飯など質素だが日本人にも合うさっぱりした味付けでおいしかった。昼食は行動先のキャンプ地のテントで蟹スープ、ボルシチ、ピロシキなど。ホテルの食事で飲んだ "カムチャツカ・ビール"と"バルチカ・ビール"も、さっぱりした軽めのラガーで飲みやすい。
毎食卓にかならず1L.パックのフルーツ・ジュースが何種類も出されていて自由に飲めるようになっており、かの地ではスタンダードのようだ。デザートでは、これも各種ジャムを添えたクレープがよく出てきた。オプションで<ダーチャでロシア風クレープ"ブリヌイ"作り体験>というコースもあることからクレープはよく好まれる食べ物らしい。
◇回りは日本車ばかり
さすが極東ということもあって走っている車は右ハンドルの日本車ばかり。まるで国内にいるような街の風景である。同行の青年がカウントしてみたら9割にも達していたそう。多くは中古車のようだが、中にはレクサスなど最新モデルも見かけた。さすが路線バスでは右ハンドルが不適で、主に韓国からの左ハンドル中古バスが多い。
◇素朴で親切なロシアの人たち
ホテル近くでみやげ物にするジャムを探していたら、英語を話す青年があらわれて離れていた食品店まで案内して店の人と交渉までしてくれたり、通りがかりの人たちが手を振ってくれたり…と、堅物そうに思っていたけどとても好印象でした。やはり伝統と文化の基盤のある民族だなぁとつくづく感じたしだい。ただ英語を話す人は多くなさそうで、お店などではまず意思疎通が困難だし、街中、看板とか商品とかはロシア語だけの表記なのでまったくちんぷんかんぷんでした。
※「
つれづれ ― プレイバック」より転載
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◇キャンパスにおける主な催し~[公開講演会・行事]ページより転載
http://www.waseda.jp/jp/event/ に他情報もあります
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ASMeW 国際シンポジウム「先端融合研究でQOL を向上し、健康寿命を延ばす」
【日時】2008/8/27(水) 10:00-18:00
2008/8/28(木) 10:00-17:30
【会場】 早稲田キャンパス 国際会議場
【対象】 学生・教職員・一般
【参加申込み】 無料、要事前申し込み
【URL】
http://www.waseda.jp/scoe/080827intsympo/講演会「哺乳類の性決定および性分化機構について」
講師:金井克晃氏 (東京大学大学院農学生命科学研究所准教授)
【日時】 2008/8/28(木)15:00-16:30
【会場】 早稲田先端生命医科学センター50号館セミナー室(3)
【対象】 教員・院生・学部生
【参加申込み】 入場無料・直接会場へ
【主催・問合せ】 早稲田大学教育学部生物学教室
第3回デジタルライフ・フォーラム@WBS
「これからの企業のあるべき姿 マイクロソフトの企業市民活動から学ぶ」
講師:眞柄 泰利氏(マイクロソフト執行役専務)
【日時】 2008/9/6(土)15:00-17:00
【会場】 早稲田大学19号館315号教室(pdfファイル)
【対象】 学生・教職員・一般
【参加申込み】 入場無料・要事前申込み
【主催・問合せ】 早稲田大学WBS研究センター ソーシャルアントレプレナー研究会
【URL】
http://www009.upp.so-net.ne.jp/waseda/ 会計基準のコンバージェンス-EFRAG議長に聞く「欧州の今」
【主催】早稲田大学 グローバルCOE「企業法制と法創造」総合研究所
【共催】早稲田大学 会計研究所
【後援】早稲田大学 産業経営研究所(同時通訳有(英語・日本語))
【日時】 2008/9/24(水)13:30-16:30
【会場】 早稲田キャンパス井深大記念ホール
【対象】 学生・教職員・一般
【参加申込み】入場無料・事前申し込みが必要です。詳細は ホームページをご確認ください。
【主催・問合せ】 早稲田大学21世紀COE<<企業法制と法創造>>総合研究所
【URL】
http://www.21coe-win-cls.org/8c/index.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
事務局からお知らせ 配信数 95
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☆会報『さざんか』夏号は8/2に発行し、会員諸兄へお届けしました。残部がありますので、ご希望あれば幹事長までご連絡ください。
☆会ブログ http://wnakano.blog76.fc2.com/ には各部会の開催予定などを掲載していますので、お試し・飛び入りなどお気軽にご参加ください。とくに新入会員の皆さま、お時間あれば是非どうぞ。
【知技研】8/28例会<最近面白かったこと、PC困りごと>(母校校友サロン16Fにて開催)
【ナイスライフ部会】9/20 落語等鑑賞会
【音楽芸能部会】11/13 リア王<狂言×オペラ×シェイクスピア>
☆題自由(趣味のこと、この頃気になること、面白情報…)の投稿をお待ちしています。
次号は 2008年9月20日配信予定〔前日に原稿〆〕
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