続メルマガ190号(2016/10/20)
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◇コラム知技研(44) <本棚からの一冊(5)> 【遠藤恭一】
= C・ミラード著「大統領の冒険」=
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20世紀初頭の米国大統領セアドア・ルーズベルトのアマゾンへの冒険の物語で500ページ近くの大著である。著者はナショナル・ジオグラフィックの編集者で熱帯雨林のジャングルについての記述は実際の体験に基づかれており読むものを虜にする。
1912年の大統領選挙に敗れ失意のうちに次の目標を失っていた状況から物語は始まる。ルーズベルトの歩んで来た道は、常に挑戦であり、困難や壁にぶつかると必ずと言ってよいほどに「より困難で高い壁のあるものに挑戦することによって癒しをその中に求める」という行動パターンである。その凄まじい生き方は少年時代の喘息の克服、早い父の死、最愛の妻とは結婚して2年目に実母も略同時に腸チフスにより喪うという悲劇を克服する過程で生まれた。それも自身の身を酷使して危険に晒すことによって克服しようとした。当時の未開の地であるサウスダコダで大自然の中で生活、より逞しくなって2年後にニューヨークに戻る。
1912年の大統領選に敗れ失意の中から南米の冒険旅行に誘われ未知の川を探検することになる。想像を絶するアマゾンの熱帯雨林のジャングルの中での悪戦苦闘の物語はその探検参加者の夫々の視点から書かれた日記に大きく依存している。ブラジル側の未開地域の専門家であり、且つブラジル政府の軍人で原住民の血が流れるロンドン大佐率いる部隊と共にその未知の川の流れの行きつく先を1600KMに亘って探すのである。
ルーズベルトに同行する息子のカーミットは父を守る為命がけでジャングルの先頭に立つ。息子も父から厳しい自立の教育を受け、米国を離れてブラジルの僻地で土木工事の現場監督として働いていた経験を持っている。冒険はアマゾンの奥地のジャングルを抜けて川に到達するまでにも何度も危険が迫り川に出てからも食料が危機的な状況になる程少なくなり、激しい濁流のなかでカヌーが破壊され、ジャングルの木を伐り出してカヌーを新たに作ることもある。
然し、なんといっても、圧巻はアマゾンの自然と未知の原住民がいつ攻撃してくるかわからぬ点の2つである。熱帯雨林はすべてが互いに依存して生命を繋いでいる。樹木も動物も又虫たちも互いに深く結びついており、未知の生物、植物も昼間と言わず夜もひつように人間に襲い掛かる。略全員がマラリヤに侵され激しい高熱に苛まれる。
ジャングルでは真の人間性が剥き出しとなって問題が起こるたびに解決を難しくする。
ルーズベルト、ロンドン大佐を中心として、どんな状況に遭遇しても日常の習慣は変わらない。ルーズベルトは毎夜日記を付けることを欠かさない。一方ロンドン大佐は朝礼から始まり軍の規律は最後まで保たれる。ルーズベルトはアマゾンで元々調子の悪かった足が更に悪化、化膿して麻酔もない中で同行の医師から手術を受け生死を何日もさまよう。
ルーズベルトは自己の旅の限界を超えたと感じてジャングルの中で置き去りにして欲しいと発言し全く死への恐れもない。然しカーミットや仲間からの励ましによって再び旅を続ける。最後は何人もの仲間を失いながらも生還し、セオドア・ルーズベルトの名前は未知の河はリオ・テオドロ(ポルトガル語でセオドア)と名付けられている。
一方ロンドン大佐はブラジル奥地のロンドリナ州としてその名を残している。現代社会人が忘れている「未知への挑戦」という二文字が脳裏に浮かんだ本であった。 以上
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◇宇宙川柳 ・手前の太道(108) 【家元東柳】
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芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。
三つ聞き二つ忘れて一つ誤解
哲学はスマホあるから大丈夫
ストレス無しオートファジーで視界良し
白砂のプールのごとしカリブ海
筋トレに励む看護士 気をつけよ
零細の本社は赤でライトアップ
手折行く心の優しき「ゆとり」の子
マヤびとも戦さに勝ちて生贄に
雲外蒼天 未だ我れ霧中
手鏡を持たぬ男は妻代り
★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
性別が三つあったら捻挫する
裁判官弁護士おめでた揃い踏み
高齢化死の後と言わず逝かんかな
他人事良く続いたな金婚完
元気すぎパワーの輪が取れパーになり
★リメールコーナー(遠藤智様)
「骨壺があるから骨は重いのだ」(9月号家元)
「世田谷の住人だった長谷川町子の遺骨が盗まれて間もなく、取り返しました。一方、王貞治夫人恭子の遺骨は、ついに生方不明。田園調布駅前の恭子所有の飲食店も人手に渡り、店内には長さんの写真がべたべた貼ってあります。長さんが買ったと誤解する向きもありますが、彼は下戸のうえ、商売やれるほどの頭はありません。」
★ガラコンサート9月15日渋谷文化総合センター「さくらホール」御礼オーケストラバックで歌う時は声量、響きと言葉に気を使います。9月3日のリサイタルの好調を維持出来て、気持ち良く歌えました。又沢山のブラボーをいただき心から感謝申し上げます。
★第10回くどう式発声講座 のお知らせ
10月30日(日)PM6:30より西日暮里サニーホールのコンサートサロンで行われる講座の中で出演し2曲歌います。聞きに来ていただける方御連絡いただければ御招待チケットお送りします。お待ちしています。
★講話放談・手前の太道家元東柳「川柳の奥義とこれから」のお知らせ
この度縁ありまして富田靱彦様主催の会で講話の機会を得ました。吉阪隆正先生の直弟子の富田玲子氏の作品のドウモ・アラべスカです。私の作品もパールセンターやすずらん通りや他近くにいくつかあります。是非皆様の御来場をお待ちしております。当方へ申し込んでいただければ幸いです。
日時 11月25日(金)
住所 杉並区成田東4-14-22
場所 ドウモ・アラべスカ(富田邸)
地下鉄丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩5分、JR阿佐ヶ谷駅より徒歩15分
http://stage.corich.jp/theater_detail.php?theater_id=1557
(当日連絡先、主催者 富田靱彦様090-2302-8884)
会費 ¥2,000+飲物
*飲物は持寄りをお願いしています。好きな飲物をお持ち下さい。
*事前に用意できない方は受付にてプラス¥1,000をお支払下さい。
*参加ご希望の方は11月23日(水)までに参加される皆様のお名前を御連絡下さい。
*定員を70名とさせていただきます。
18:00受付
18:30講話放談 家元東柳こと東直彦(建築家、声楽家、折画帖家)
20:00~団欒?
家元東柳 連絡先掲載サイト http://www.higaship.com
㈱東綜合設計事務所 東 直彦
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◇田舎暮らし(163) <先祖は名主だった!?> 【中野信吾】
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先月の彼岸の中日に一族の祖先祭があった。ここのところ、この集会に参加する家が少なくなってきている傾向が見られる。というのも、各家の高齢化や若い人たちの関心の持ち方が薄れてきていることが不参加を多くしているようだ。これはどこの社会でも同じ傾向なのかもしれない。当日の参加者の顔ぶれを見ても、最高齢者は90歳代が一人、80歳代が四人,70歳代が五人、60歳代が二人、50歳代が二人であった。地元に残る同姓一族はもっと多いが、常時結びついて活動するのがこれぐらいの家というところだろうか。
在地にあって一族の神社を持つのは相当の固定資産を持っていなければ維持できない。寺や役所へ行ってルーツを調べれば、それなりに理解することはできるが、まだまだ先でという優柔不断が先行するあまりこの始末だ。かつて一族の維持費の減少が話題に上がったことがあった。一族の共有財産である山林は木材価格下落で価値にならない。その敷地にあった送電線の地代は撤去されて収支ゼロ。他の山林の収益は雑木林なのだが、これもゼロ。地代の税金は毎年必ずかかってくる。預貯金の取り崩しで今日まで維持できたがこれからはどうなる? 今まではリッチな資産で会費ゼロでやってきた。今はそうはいかない。持ち出しの会に変わってきた。これでは若い人の家では参加することが難しい。年寄りとの会話は愚痴を聞くばかりで噛み合わない。そんな中で本家筋の“大将”が、自分の家にある古文書からの写しを持参してきた。
先祖祭の儀式が終わった後、直しの会が開かれた。席上でその“大将”が古文書の写しを広げて先ほどまで仕切ってきた神主に何やら説明している。お神酒が入っているので詳細な文面は喪失したが、なかでも一カ所だけは鮮明に記憶しているのが次の年号だった。「延宝六年」(1678)――この年あたりにわが先祖は当地の名主を拝命したという記事のようだった。4代将軍家綱のころだ。戦国の世が終わり、武田信玄にかき回された地がようやく安定しだし復興への新田開発が盛んに行われた時期にもなる。産業復興の一助を命じられ、お祭りができる地主になった。小さな地域の名士かもしれない。
名主として拝命した人がどんな人物か、土地の人か、合戦で他所からの来着者なのか、誰が任命したのかもわからない。これから調べるにはちょっと遅すぎたようだ。
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◇よろず評論 (14) <リオ五輪・パラリンピックに学ぶ> 【鈴木迪雄】
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「失なったものを数えるな。残されたものを最大限に活かせ」パラリンピックの創設者 ルード・ヴィッヒ・グッドマン博士の唱えた基本理念である。リオデジャネイロ・パラリンピックは、170以上の国と地域が参加する巨大なスポーツイベントであった。
日本では、1964年の東京オリンピックの11月8日、21ヶ国と地域の参加で第二回大会を行ったが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まっており、リオの熱い闘いが4年後、真夏の炎熱とともに日本にやってくる。
日本で認知度が高い障害者スポーツは車椅子テニス。返球が2バウンドまでOKというルール以外は健常テニスとはほぼ同じ。リオで注目されたのはウイルチェア・ラグビー。丸いボールを使い、タックルやパスを繰り出しながらコート上の各4選手が互いのゴールを目指す。車椅子同士が激しくぶつかるタックルが認められているので、相手の攻撃を止め守備を突破するためのタックルは迫力がある。
パラリンピックには健常者の競技にはない競技がある。そのひとつは“ゴールボール”。1チーム3人の選手たちが目隠しを着けて交互にボールを投げ合い合計得点を競う。ボールに内蔵された鈴の音、相手の足音を聞きわけ、相手のボールがどの方向から来るのかを判断して守る。二つ目は“ボッチャ”。コートのジャックボール(目標球)に向かって手や足、補助具を使いボールを近づける。ミリ単位の競技と先を読む戦術を要するカーリングに似たスポーツだ。三つ目は下肢などに障害のある選手がプレーする6人制のシッティング・バレーボール。スパイクやブロックの時、お尻が浮いたら反則。レシーブは短時間であればお尻が浮くことが許されるが、その判断は審判にゆだねられる。ネットが低くコートも小さい。
リオデジャネイロ。パラリンピックに参加した日本は、金0・銀10・銅14。日本の公共スポーツ施設は4万8千ヶ所あるが、障害者が優先的に利用できるスポーツ施設は114ヶ所で練習の場が少ない。障害者が利用すると車椅子で床を傷つけるので床を保護する対策や玄関の入口に段差スロープを、そしてトイレは多機能トイレにするなどの対応が望まれる。2020年の東京五輪・パラリンピックは立候補の時点で7300億円が、最近の新聞報道では3兆円超という。東京都は都が新設する7施設のうち予算額の大きい3会場について見直しが必要と提言しているが、野球・ソフトボールなど6種目の競技追加と別途に酷暑対策、テロ対策の課題も加わる。リオ五輪・パラリンピックの費用は、北京・ロンドンより大幅削減し、緑一色で環境保護を強く世界に訴えた。日本の足元をみれば日本の人口は2010年をピークに減少局面を迎え、2030年には高齢化率が30%を超える。2020年の東京オリンピックは障害者や高齢者にやさしいバリアフリーの街づくりと国際交流の架け橋などの構築を訴えることも重要だ。
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★早稲田大学公開講座・展示行事に関する情報はこちらのサイトからご覧ください。
→ 早稲田イヴェント
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◇コラム知技研(44) <本棚からの一冊(5)> 【遠藤恭一】
= C・ミラード著「大統領の冒険」=
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20世紀初頭の米国大統領セアドア・ルーズベルトのアマゾンへの冒険の物語で500ページ近くの大著である。著者はナショナル・ジオグラフィックの編集者で熱帯雨林のジャングルについての記述は実際の体験に基づかれており読むものを虜にする。
1912年の大統領選挙に敗れ失意のうちに次の目標を失っていた状況から物語は始まる。ルーズベルトの歩んで来た道は、常に挑戦であり、困難や壁にぶつかると必ずと言ってよいほどに「より困難で高い壁のあるものに挑戦することによって癒しをその中に求める」という行動パターンである。その凄まじい生き方は少年時代の喘息の克服、早い父の死、最愛の妻とは結婚して2年目に実母も略同時に腸チフスにより喪うという悲劇を克服する過程で生まれた。それも自身の身を酷使して危険に晒すことによって克服しようとした。当時の未開の地であるサウスダコダで大自然の中で生活、より逞しくなって2年後にニューヨークに戻る。
1912年の大統領選に敗れ失意の中から南米の冒険旅行に誘われ未知の川を探検することになる。想像を絶するアマゾンの熱帯雨林のジャングルの中での悪戦苦闘の物語はその探検参加者の夫々の視点から書かれた日記に大きく依存している。ブラジル側の未開地域の専門家であり、且つブラジル政府の軍人で原住民の血が流れるロンドン大佐率いる部隊と共にその未知の川の流れの行きつく先を1600KMに亘って探すのである。
ルーズベルトに同行する息子のカーミットは父を守る為命がけでジャングルの先頭に立つ。息子も父から厳しい自立の教育を受け、米国を離れてブラジルの僻地で土木工事の現場監督として働いていた経験を持っている。冒険はアマゾンの奥地のジャングルを抜けて川に到達するまでにも何度も危険が迫り川に出てからも食料が危機的な状況になる程少なくなり、激しい濁流のなかでカヌーが破壊され、ジャングルの木を伐り出してカヌーを新たに作ることもある。
然し、なんといっても、圧巻はアマゾンの自然と未知の原住民がいつ攻撃してくるかわからぬ点の2つである。熱帯雨林はすべてが互いに依存して生命を繋いでいる。樹木も動物も又虫たちも互いに深く結びついており、未知の生物、植物も昼間と言わず夜もひつように人間に襲い掛かる。略全員がマラリヤに侵され激しい高熱に苛まれる。
ジャングルでは真の人間性が剥き出しとなって問題が起こるたびに解決を難しくする。
ルーズベルト、ロンドン大佐を中心として、どんな状況に遭遇しても日常の習慣は変わらない。ルーズベルトは毎夜日記を付けることを欠かさない。一方ロンドン大佐は朝礼から始まり軍の規律は最後まで保たれる。ルーズベルトはアマゾンで元々調子の悪かった足が更に悪化、化膿して麻酔もない中で同行の医師から手術を受け生死を何日もさまよう。
ルーズベルトは自己の旅の限界を超えたと感じてジャングルの中で置き去りにして欲しいと発言し全く死への恐れもない。然しカーミットや仲間からの励ましによって再び旅を続ける。最後は何人もの仲間を失いながらも生還し、セオドア・ルーズベルトの名前は未知の河はリオ・テオドロ(ポルトガル語でセオドア)と名付けられている。
一方ロンドン大佐はブラジル奥地のロンドリナ州としてその名を残している。現代社会人が忘れている「未知への挑戦」という二文字が脳裏に浮かんだ本であった。 以上
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◇宇宙川柳 ・手前の太道(108) 【家元東柳】
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
芭蕉の築いた俳句の世界「奥の細道」をも包摂した広大で自由な川柳宇宙を築こうと思い、「手前の太道(ふとみち)」としています。
三つ聞き二つ忘れて一つ誤解
哲学はスマホあるから大丈夫
ストレス無しオートファジーで視界良し
白砂のプールのごとしカリブ海
筋トレに励む看護士 気をつけよ
零細の本社は赤でライトアップ
手折行く心の優しき「ゆとり」の子
マヤびとも戦さに勝ちて生贄に
雲外蒼天 未だ我れ霧中
手鏡を持たぬ男は妻代り
★おまけの戯れ句、狂句、破礼句
性別が三つあったら捻挫する
裁判官弁護士おめでた揃い踏み
高齢化死の後と言わず逝かんかな
他人事良く続いたな金婚完
元気すぎパワーの輪が取れパーになり
★リメールコーナー(遠藤智様)
「骨壺があるから骨は重いのだ」(9月号家元)
「世田谷の住人だった長谷川町子の遺骨が盗まれて間もなく、取り返しました。一方、王貞治夫人恭子の遺骨は、ついに生方不明。田園調布駅前の恭子所有の飲食店も人手に渡り、店内には長さんの写真がべたべた貼ってあります。長さんが買ったと誤解する向きもありますが、彼は下戸のうえ、商売やれるほどの頭はありません。」
★ガラコンサート9月15日渋谷文化総合センター「さくらホール」御礼オーケストラバックで歌う時は声量、響きと言葉に気を使います。9月3日のリサイタルの好調を維持出来て、気持ち良く歌えました。又沢山のブラボーをいただき心から感謝申し上げます。
★第10回くどう式発声講座 のお知らせ
10月30日(日)PM6:30より西日暮里サニーホールのコンサートサロンで行われる講座の中で出演し2曲歌います。聞きに来ていただける方御連絡いただければ御招待チケットお送りします。お待ちしています。
★講話放談・手前の太道家元東柳「川柳の奥義とこれから」のお知らせ
この度縁ありまして富田靱彦様主催の会で講話の機会を得ました。吉阪隆正先生の直弟子の富田玲子氏の作品のドウモ・アラべスカです。私の作品もパールセンターやすずらん通りや他近くにいくつかあります。是非皆様の御来場をお待ちしております。当方へ申し込んでいただければ幸いです。
日時 11月25日(金)
住所 杉並区成田東4-14-22
場所 ドウモ・アラべスカ(富田邸)
地下鉄丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩5分、JR阿佐ヶ谷駅より徒歩15分
http://stage.corich.jp/theater_detail.php?theater_id=1557
(当日連絡先、主催者 富田靱彦様090-2302-8884)
会費 ¥2,000+飲物
*飲物は持寄りをお願いしています。好きな飲物をお持ち下さい。
*事前に用意できない方は受付にてプラス¥1,000をお支払下さい。
*参加ご希望の方は11月23日(水)までに参加される皆様のお名前を御連絡下さい。
*定員を70名とさせていただきます。
18:00受付
18:30講話放談 家元東柳こと東直彦(建築家、声楽家、折画帖家)
20:00~団欒?
家元東柳 連絡先掲載サイト
㈱東綜合設計事務所 東 直彦
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◇田舎暮らし(163) <先祖は名主だった!?> 【中野信吾】
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
先月の彼岸の中日に一族の祖先祭があった。ここのところ、この集会に参加する家が少なくなってきている傾向が見られる。というのも、各家の高齢化や若い人たちの関心の持ち方が薄れてきていることが不参加を多くしているようだ。これはどこの社会でも同じ傾向なのかもしれない。当日の参加者の顔ぶれを見ても、最高齢者は90歳代が一人、80歳代が四人,70歳代が五人、60歳代が二人、50歳代が二人であった。地元に残る同姓一族はもっと多いが、常時結びついて活動するのがこれぐらいの家というところだろうか。
在地にあって一族の神社を持つのは相当の固定資産を持っていなければ維持できない。寺や役所へ行ってルーツを調べれば、それなりに理解することはできるが、まだまだ先でという優柔不断が先行するあまりこの始末だ。かつて一族の維持費の減少が話題に上がったことがあった。一族の共有財産である山林は木材価格下落で価値にならない。その敷地にあった送電線の地代は撤去されて収支ゼロ。他の山林の収益は雑木林なのだが、これもゼロ。地代の税金は毎年必ずかかってくる。預貯金の取り崩しで今日まで維持できたがこれからはどうなる? 今まではリッチな資産で会費ゼロでやってきた。今はそうはいかない。持ち出しの会に変わってきた。これでは若い人の家では参加することが難しい。年寄りとの会話は愚痴を聞くばかりで噛み合わない。そんな中で本家筋の“大将”が、自分の家にある古文書からの写しを持参してきた。
先祖祭の儀式が終わった後、直しの会が開かれた。席上でその“大将”が古文書の写しを広げて先ほどまで仕切ってきた神主に何やら説明している。お神酒が入っているので詳細な文面は喪失したが、なかでも一カ所だけは鮮明に記憶しているのが次の年号だった。「延宝六年」(1678)――この年あたりにわが先祖は当地の名主を拝命したという記事のようだった。4代将軍家綱のころだ。戦国の世が終わり、武田信玄にかき回された地がようやく安定しだし復興への新田開発が盛んに行われた時期にもなる。産業復興の一助を命じられ、お祭りができる地主になった。小さな地域の名士かもしれない。
名主として拝命した人がどんな人物か、土地の人か、合戦で他所からの来着者なのか、誰が任命したのかもわからない。これから調べるにはちょっと遅すぎたようだ。
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◇よろず評論 (14) <リオ五輪・パラリンピックに学ぶ> 【鈴木迪雄】
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
「失なったものを数えるな。残されたものを最大限に活かせ」パラリンピックの創設者 ルード・ヴィッヒ・グッドマン博士の唱えた基本理念である。リオデジャネイロ・パラリンピックは、170以上の国と地域が参加する巨大なスポーツイベントであった。
日本では、1964年の東京オリンピックの11月8日、21ヶ国と地域の参加で第二回大会を行ったが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まっており、リオの熱い闘いが4年後、真夏の炎熱とともに日本にやってくる。
日本で認知度が高い障害者スポーツは車椅子テニス。返球が2バウンドまでOKというルール以外は健常テニスとはほぼ同じ。リオで注目されたのはウイルチェア・ラグビー。丸いボールを使い、タックルやパスを繰り出しながらコート上の各4選手が互いのゴールを目指す。車椅子同士が激しくぶつかるタックルが認められているので、相手の攻撃を止め守備を突破するためのタックルは迫力がある。
パラリンピックには健常者の競技にはない競技がある。そのひとつは“ゴールボール”。1チーム3人の選手たちが目隠しを着けて交互にボールを投げ合い合計得点を競う。ボールに内蔵された鈴の音、相手の足音を聞きわけ、相手のボールがどの方向から来るのかを判断して守る。二つ目は“ボッチャ”。コートのジャックボール(目標球)に向かって手や足、補助具を使いボールを近づける。ミリ単位の競技と先を読む戦術を要するカーリングに似たスポーツだ。三つ目は下肢などに障害のある選手がプレーする6人制のシッティング・バレーボール。スパイクやブロックの時、お尻が浮いたら反則。レシーブは短時間であればお尻が浮くことが許されるが、その判断は審判にゆだねられる。ネットが低くコートも小さい。
リオデジャネイロ。パラリンピックに参加した日本は、金0・銀10・銅14。日本の公共スポーツ施設は4万8千ヶ所あるが、障害者が優先的に利用できるスポーツ施設は114ヶ所で練習の場が少ない。障害者が利用すると車椅子で床を傷つけるので床を保護する対策や玄関の入口に段差スロープを、そしてトイレは多機能トイレにするなどの対応が望まれる。2020年の東京五輪・パラリンピックは立候補の時点で7300億円が、最近の新聞報道では3兆円超という。東京都は都が新設する7施設のうち予算額の大きい3会場について見直しが必要と提言しているが、野球・ソフトボールなど6種目の競技追加と別途に酷暑対策、テロ対策の課題も加わる。リオ五輪・パラリンピックの費用は、北京・ロンドンより大幅削減し、緑一色で環境保護を強く世界に訴えた。日本の足元をみれば日本の人口は2010年をピークに減少局面を迎え、2030年には高齢化率が30%を超える。2020年の東京オリンピックは障害者や高齢者にやさしいバリアフリーの街づくりと国際交流の架け橋などの構築を訴えることも重要だ。
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★早稲田大学公開講座・展示行事に関する情報はこちらのサイトからご覧ください。
→ 早稲田イヴェント